不動産におけるAI査定の仕組みとは?メリット・デメリットを解説
近年、多方面でAI技術が活躍しており、不動産業界でも例外ではありません。
時間や手間をかけずに手軽に自宅の価値を知りたい場合に便利なAI査定ですが、その信頼性に疑問を持つ方もいるかもしれません。
そこで今回は、不動産におけるAI査定の仕組みやメリット、デメリットについて解説します。
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不動産におけるAI査定の仕組み
不動産のAI査定を利用するにあたって、まずその仕組みを理解しておくことは大切です。
ここでは、AI査定とはなにか、不動産で活用される仕組み、一戸建ての査定、マンションの査定について解説します。
AI査定とはなにか
AIとは、人工知能によって知的作業を機械におこなわせることを指します。
2000年代に機械学習の実用化が始まり、AIはさまざまな業界で利用されるようになっています。
人間が膨大なデータを読み込み、処理するには時間がかかります。
一方で、AIを活用すれば、短時間で効率的に回答を導き出せる点がメリットと言えます。
不動産で活用されるAI査定の仕組み
不動産業界においては、過去の膨大な類似物件の取引データとの比較照合にAIが用いられています。
不動産の査定においては、以下のデータが重要な資料となります。
●所在地
●面積
●構造
●築年数
●居住状態
AI査定により、不動産価格の結果を出すプロセスは、人の手による作業と同様です。
しかし、AIを使用すると、人の手による作業よりも高速に結果を出せるというメリットがあります。
また、AI査定には、情報の蓄積が多いほど査定精度が向上するという特徴もあります。
一戸建てにAI査定を使用する場合
一戸建ての価格を決定する要素は多岐にわたるため、AI査定を活用する場合は、参考程度に留めるのが望ましいです。
また、地域によっては、AIが活用できるデータの蓄積が少なく、AI査定が利用できない場合もあります。
さらに、注文住宅の場合は、デザインや機能、性能面において他の物件と比較しにくい点があるため、AIによる判断が難しい可能性があります。
マンションにAI査定を使用する場合
マンションの査定は、AIと比較的相性が良いといえます。
マンションは、供給業者の数が少なく、品質や性能面で差が小さい点がその理由です。
とくに、都心部ではデータが多く、比較対象物件が見つけやすいため、精度の高い査定ができる傾向があります。
マンションの査定で重要な要素とされるのは、主に「立地条件」と「築年数」であり、一戸建てほど複雑な要素はありません。
そのため、AIが瞬時に算出する査定価格は、人間が時間をかけて算出する価格と大きな差がないとされています。
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不動産でAI査定を活用するメリット
上手に活用すれば、不動産のAI査定には多くのメリットがあります。
ここでは、代表的な3つのメリットを解説します。
メリット①匿名で査定できる
AI査定では、個人に関する細かな情報を提供することなく、査定依頼が可能です。
メールアドレスのみで査定依頼ができ、匿名性が高いのが特徴です。
物件住所を入力すれば、より正確な査定結果を得られますが、入力しなくても査定は可能です。
最寄り駅からの所要時間、物件種別、面積だけで査定結果を出せるサイトもあります。
アカウント登録が不要なサイトもあり、匿名での査定もできます。
財産分与などの事情で、売却を検討していることを他の人に知られたくない場合にも、AI査定は適しています。
メリット②不動産会社とやりとりしなくて済む
売却を決定していない場合、不動産会社とのやり取りが煩わしく感じる方もいるかもしれません。
将来的な選択肢のひとつとして、まず査定価格を知りたい方にとって、AI査定は最適な方法です。
不動産会社のスタッフとの対面なしで査定価格を知ることができるため、手間が少なくて済みます。
電話番号の入力が不要なため、後日不動産会社から営業電話がかかってくることもありません。
メリット③査定結果が出るのが早い
査定結果が出るまでのスピード感は、AI査定の大きなメリットです。
AI査定では、WEB上で必要な項目を入力し終えると、即座に査定価格が表示されます。
また、情報を登録しておけば、定期的に価格の変動をメールで通知してくれるサービスもあります。
とくに、都心部の住宅は、市場価格の変動が大きいため、適切なタイミングを見極めて売却することが重要です。
市場の変動を見守りながら、高額売却を狙っている方にとっても、AI査定の活用は役立ちます。
迅速に推定価格を導き出すことで、売却後のライフプランの検討もスムーズに進むでしょう。
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不動産でAI査定を活用するデメリット
AI査定には、メリットだけでなくデメリットもあるため、注意が必要です。
ここでは、4つのデメリットを解説します。
デメリット①実際の売却価格とは異なる
AI査定が使用するデータは主に、自社の売買データやネット上で無料公開されている売出価格です。
ネット上の売出価格は、不動産会社や売主の希望する設定価格であり、実際の成約価格とは異なります。
築年数30年以上の物件では、成約価格が売出価格の3割安くなるケースもあります。
そのため、ネット上の売出価格をメインのデータとしているAI査定は、精度が低いといえるでしょう。
不動産会社によって、AI査定のもとにしているデータは異なるため、査定結果にはばらつきが生じます。
複数のAI査定を利用すると、結果が異なることがあり、混乱する場合もあるかもしれません。
デメリット②個別の要素が反映されない
同じ間取りや立地、築年数の物件であっても、個別の異なる要素があり、実際の成約価格に影響を与える場合があります。
AI査定では、類似物件のデータベースから物件価格を判断するため、個別の要素が反映されない点がデメリットです。
たとえば、同一マンションでも、眺望や日当たり、室内設備の劣化状態などには違いがあります。
一戸建ての場合は、耐久性やメンテナンスの状況において、大きな違いが生じるケースが多いです。
物件ごとの個別の要素を査定価格に反映させるためには、現地確認が欠かせないといえます。
デメリット③レインズが利用できない
レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産物件情報交換システムです。
不動産会社には、売却の仲介をおこなった物件を掲載する義務があり、全国の不動産情報のデータが確認できます。
レインズ上では、販売中の物件だけでなく、実際の成約価格も公開されるため、信頼性が高いデータといえます。
不動産会社に査定を依頼した場合、レインズの情報に基づき、他社の取引価格も参考にした査定価格が算出されます。
そのため、レインズを使用しないAI査定は、不動産会社の査定に比べて精度が低くなる点がデメリットです。
デメリット④不動産会社の選定ができない
売却する前提で査定価格を知りたい方の場合、AI査定では不動産会社の選定ができない点がデメリットです。
不動産会社に査定を依頼する場合、現地確認や査定結果の説明などの過程を通じて、会社の特色や担当者の人柄を把握できます。
不動産会社に査定を依頼し、信頼できる不動産会社であれば、最終的な仲介を依頼する流れが一般的です。
一方、AI査定では不動産会社とのやりとりがないため、選定の参考にはなりません。
実際に売却を依頼する場合は、改めて不動産会社に連絡を取り、慎重に判断する必要があります。
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まとめ
不動産におけるAI査定では、人工知能が蓄積された取引データから査定価格を算出します。
AI査定のメリットは、匿名で査定でき、査定結果が出るのも早い点です。
一方、実際の売却価格とは異なる場合もあることや物件の個別の要素が反映されないことなどのデメリットには注意が必要です。
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