成年後見人が不動産売却をする方法は?手続きの手順についても解説

売却コラム

成年後見人が不動産売却をする方法は?手続きの手順についても解説

親が認知症などで判断能力が低下し、所有する不動産を売却できずにお困りではありませんか。
本人の意思確認が難しいままでの契約は無効になるリスクがありますが、成年後見制度を適切に利用することで、売却手続きを進めることが可能です。
本記事では、成年後見制度の基礎知識から申立ての流れ、実際に不動産を売却する際の手順や注意点について解説いたします。
法的な手続きに不安を感じている方や、これから実家の売却を検討されている方は、ぜひご参考になさってくださいね。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

成年後見制度とは

成年後見制度とは

成年後見制度を利用した不動産売却を考える際、制度の仕組みや種類といった基本からおさえる必要があります。
まずは、成年後見制度の目的や種類について解説していきます。

制度の背景と目的

ここでは、成年後見制度が誕生した背景として、高齢化や認知症の方の増加といった社会状況を整理しながら、制度の基本的な考え方を確認していきましょう。
以前の制度は本人の行動を制限する側面がありましたが、現在の成年後見制度は本人の権利を守り、自己決定を尊重することを大切にしています。
これは、判断能力が低下した方が不利な契約を結んでしまわないようサポートし、安心して暮らせる環境を整えることが大きな役割です。
単に財産管理を代わりにおこなうだけでなく、日々の暮らしと将来の安心を支えるための大切な基盤といえるでしょう。
不動産の売却においても、この考え方に沿って制度を活用することで、ご本人もご家族も納得のいく形で進めやすくなります。

法定と任意後見の違い

成年後見制度には、大きく分けて2つのタイプが用意されており、状況に合わせて選ぶことが大切です。
法定後見制度は、すでに判断能力が低下している場合に利用し、本人の状態に合わせて後見や保佐、補助の3段階で支援内容を決定します。
一方で、任意後見制度は、本人が元気なうちに将来に備えておく仕組みであり、信頼できる方を自分で選んでサポート内容を公正証書で決めておきます。
どちらの制度も本人の利益を守るという目的は同じため、現在の状況や希望に合わせて最適な形を選んでいきましょう。

売却時のメリット

不動産売却で成年後見制度を利用するメリットは、取引の安全性が高まり、関係者全員が安心して進められる点にあります。
判断能力が不十分な状態で契約すると、後から契約が無効ではないかと問題になる恐れがありますが、後見人が関与することでそのリスクを防ぐことが可能です。
また、後見人が価格の妥当性を確認するため、相場から大きく外れた安値での売却を避け、本人の資産を守ることにもつながります。
くわえて、自宅売却では家庭裁判所の許可が必要になるため、手続きの透明性が確保され、ご親族も状況を把握しやすくなります。
制度を上手に使うことで、本人の生活や将来の資金計画を支え、安心感のある売却につなげられるでしょう。

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成年後見申立ての手続きと必要書類

成年後見申立ての手続きと必要書類

前章では、成年後見制度の概要について述べましたが、実際に利用を開始するには、家庭裁判所への申立て手続きが必要です。
ここでは、申立ての流れや必要書類の準備について解説いたします。

申立てから完了の流れ

成年後見の申立ては、まず申立人を決め、家庭裁判所に相談しながら準備を進めるところから始まります。
一般的な手順は、「事前相談や書類準備→申立書の提出→家庭裁判所での審理・面談→審判書の受け取り→後見登記」といった流れです。
後見人が正式に就任するまでの期間は事案によりますが、おおむね2か月から4か月が目安になります。
売却を急ぐ場合でも、この期間を踏まえて資金計画や売却時期を考えておくことで、落ち着いて手続きを進められるでしょう。

必要書類の入手方法

申立てには、ご本人やご家族の状況を正確に伝えるため、いくつかの書類を準備する必要があります。
主に、戸籍謄本や住民票といった本人確認の書類、不動産の登記事項証明書や預貯金通帳のコピーなど財産に関する書類が必要です。
くわえて、収支がわかる資料や、介護・生活状況をまとめたメモも用意しておくと役立ちます。
診断書は家庭裁判所指定の書式があるため、医師に依頼する際は所定の書式を持参するとスムーズです。
また、現在の生活状況や必要な支援を整理した資料があると、申立ての目的が裁判所へ伝わりやすくなります。

費用目安と注意点

成年後見申立ての費用は、収入印紙代や切手代などの実費にくわえ、専門家へ依頼した場合の報酬がかかります。
実費は数万円ほどですが、専門職へ依頼する場合は別途費用が発生するため、事前確認しておくと安心です。
また、後見人が弁護士や司法書士などの専門職に選任された場合、就任後も報酬が発生するため、長期的な資金計画が欠かせません。
書類に不備があると手続きが長引くこともあるため、必要書類を整理してチェックしながら進めるとスムーズです。
なお、費用に不安がある場合は裁判所や専門家へ相談し、売却後の生活設計も踏まえた無理のないプランを検討すると良いでしょう。

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成年後見人による不動産売却の方法と手順

成年後見人による不動産売却の方法と手順

ここまで、成年後見申立ての流れを解説しましたが、実際の売却活動においては、裁判所の許可が必要なケースなど注意点もおさえておきましょう。
最後に、成年後見人がおこなう不動産売却の流れや、実務について解説していきます。

物件別の売却の流れ

成年後見人が不動産を売却する際は、その物件が居住用か非居住用かによって手続きが変わります。
自宅などの居住用不動産は生活の拠点となるため影響が大きく、原則として家庭裁判所の許可が必要です。
売却の目的や、その後の住まいが確保されているかなどを説明し、ご本人の生活に役立つことを示す必要があります。
空き家や投資用の非居住用不動産は、状況によって裁判所の許可が不要な場合もありますが、生活費や介護費用を支える重要な資産である点は変わりません。
いずれの場合も、ご本人の利益を最優先にした慎重な判断が求められます。

売却活動から契約締結

売却の方針が決まったら、まずは不動産会社に査定を依頼し、市場価格の目安を把握することから始めます。
価格や条件を決める際には、ご本人の利益を最優先にしつつ、市場の動向も踏まえて判断し、無理のない契約内容に整えていきましょう。
また、内見の際には成年後見人が立ち会い、物件の状態や周辺環境について丁寧に説明することで、購入希望者の方にも安心感を持ってもらえます。
売買契約を結ぶ際は、成年後見人としての権限を証明する登記事項証明書などを準備しておきましょう。
さらに、必要に応じて家庭裁判所の許可書面も提示することで、スムーズで信頼性の高い取引につながります。

代金管理と報告義務

売却代金を受け取ったあとは、成年後見人として資金を適切に管理し、ご本人の生活や医療・介護のために計画的に活用することが大切です。
生活費や施設費、医療費などの支出予定を整理し、普通預金や定期預金に分けて管理するなど、使いやすい形で資金計画を立てておきましょう。
後見人には、家庭裁判所へ財産状況や収支を報告する義務があるため、売却代金の入金や使途を記録しておく必要があります。
さらに、通帳の記帳や領収書の保管、家計簿ソフトで残高を整理するなどの対応も有効です。
また、売却によって税金が発生する場合は確定申告が必要になるため、税理士など専門家と連携しながら進めると良いでしょう。

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まとめ

成年後見制度は本人の権利を守る大切な基盤であり、状況に応じて2種類の制度を適切に使い分けることで、安全な不動産取引が可能となります。
利用開始には家庭裁判所への申立てが必要であり、必要書類や費用にくわえ、完了まで2か月から4か月程度かかる点も計画に含めましょう。
居住用不動産の売却には裁判所の許可が必要となり、売却代金は本人の生活を支えるために、適切に管理し報告することが求められるでしょう。


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