法定相続情報一覧図とは?不動産の相続手続についても解説

不動産の相続手続きを進めるにあたり、大量の戸籍謄本を集めたり、各提出先へ何度も足を運んだりする煩雑さでお困りではありませんか。
相続手続きごとに同じ書類の束を提出し直すのは大変な負担ですが、「法定相続情報一覧図」を活用すれば、その手間を劇的に減らすことができます。
本記事では、法定相続情報一覧図の概要や記載内容をはじめ、不動産の名義変更など実際に利用できる相続手続き、そして具体的な取得方法について解説します。
これから不動産の相続手続きをスムーズに進めたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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法定相続情報一覧図とは?

法定相続情報一覧図には、主に被相続人や法定相続人の情報が記載されます。
まずは、法定相続情報一覧図の概要と記載内容について、解説していきます。
被相続人の基本情報
法定相続情報一覧図は、2017年5月に始まった制度に基づき、法務局の登記官が内容を確認して交付する公的な書類です。
一覧図には、亡くなった被相続人の氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所などの各基本情報が正確に記載されます。
また、最後の住所は住民票の除票や戸籍の附票などをもとに記載するため、登記簿上の名義人と同一人物か確認する際にも役立つでしょう。
とくに不動産登記では、登記簿に記録された住所と最後の住所が異なり、住所移転の経緯を示す資料が必要になる場合があります。
そのため、戸籍だけでなく住所の書類も早めにそろえ、記載内容を丁寧に確認しておくことが大切です。
法定相続人の基本情報
法定相続人とは、民法で相続権が定められた方を指し、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などが該当します。
一覧図には、法定相続人全員の氏名と正確な生年月日を記載し、戸籍をもとに相続関係を整理する仕組みです。
また、相続人の住所は必須ではありませんが、住民票などを添えれば記載でき、不動産の相続登記で住所証明書類を省ける場合があります。
ただし、交付後に引っ越しても住所の書き換えはできないため、申出時の現在住所を正確に記入しておく必要があるでしょう。
そのため、出生から死亡までの戸籍を丁寧に確認し、養子や認知した子どもなどを含めて法定相続人を漏れなく整理することが大切です。
親族関係を示す続柄
続柄は、被相続人と各法定相続人がどのような関係にあるのかを示し、相続関係を整理するとても重要な基本情報といえます。
一覧図では、配偶者との関係を二重線、親子関係などを一重線で結び、氏名の近くに夫や妻、長男、養子などの続柄を記載します。
また、孫が代襲相続する場合も、戸籍謄本の内容に沿って関係を正確に表す必要があるでしょう。
申出人の希望により実子と養子を区別せず「子」と記載することもできますが、その場合は相続税申告の添付書類として利用できません。
そのため、複数の相続手続きで活用する予定なら、戸籍に記載された正式な続柄を省略せず記入しておくと安心です。
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利用できる手続きと一覧図を取得するメリット

前章では法定相続情報一覧図の記載内容について述べましたが、実際にどのような場面で利用できるのか、気になりますよね。
ここでは、法定相続情報一覧図を利用できる手続きと取得するメリットについて、解説していきます。
不動産の相続登記手続
不動産を相続により取得した方は、法務局で所有権を移す相続登記を速やかに申請する必要があります。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、取得を知った日から原則3年以内に申請し、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
また、通常は被相続人の戸籍や除籍謄本などを提出しますが、法定相続情報一覧図の写しがあれば、戸籍一式に代えて利用可能です。
そのため、分厚い戸籍を持ち運んだり、提出先ごとに確認したりする負担を減らせるでしょう。
さらに、不動産が各地にある場合も、必要な通数を用意すれば、それぞれの管轄法務局で手続きを進めやすくなります。
銀行等での預貯金手続
金融機関で被相続人名義の預貯金を解約・払戻しする際にも、法定相続情報一覧図をスムーズに活用できます。
通常は相続人であることを確認するため、戸籍類一式の提出が必要です。
しかし、古い戸籍が多いと関係性の確認に時間がかかり、窓口ごとの準備も負担になりやすいでしょう。
その点、一覧図なら相続関係を一目で確認しやすく、戸籍の束を窓口へ持参する負担も抑えられます。
さらに、登記官の認証文が付くため、金融機関側も法定相続人の構成を把握しやすくなるでしょう。
また、複数の銀行に口座がある場合でも、必要な写しを用意すれば、各金融機関の手続きを並行して進めやすくなるのが利点です。
戸籍提出の手間を省く
法定相続情報一覧図を取得するもっとも大きなメリットは、複数の相続手続きで戸籍謄本一式を何度も提出する手間を大幅に減らせることです。
相続では、不動産登記のほか、相続税の申告や年金、有価証券の名義変更など、さまざまな窓口で書類が必要になります。
従来は戸籍類の原本を提出して返却を待つか、複数部を取得して各窓口へ提出する方法が一般的でした。
しかし、戸籍を何部も集めると手数料や準備の負担が増えやすいでしょう。
その点、一覧図の写しは法務局で必要な通数を無料で交付してもらえるため、複数の相続手続きを同時並行で進めやすく、分厚い戸籍を管理し、持ち歩く労力も抑えられます。
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法務局での法定相続情報一覧図の取得方法

ここまで、利用できる手続きとメリットを解説しましたが、実際の取得方法もおさえておきましょう。
最後に、法定相続情報一覧図の具体的な取得方法について、解説していきます。
事前に集める必要書類
法定相続情報一覧図を申し出る前に、まずは被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍を早めに集めます。
本籍地を移している場合は、過去の本籍地をたどり、該当する各市区町村から必要な戸籍を取得しなければなりません。
また、最後の住所を確認するために住民票の除票を用意し、取得できないときは戸籍の附票などを利用します。
法定相続人については、被相続人の死亡日以後に取得した現在の戸籍謄本または抄本が必要です。
さらに、相続人の住所を一覧図へ記載する場合は住民票などの裏付け資料を添え、申出人は運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類の写しも準備します。
一覧図の作成ステップ
必要書類がそろったら、被相続人と各法定相続人の関係を示す一覧図をA4サイズの白紙に順序よくわかりやすく作成します。
被相続人については氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所を記入し、法定相続人は全員の氏名や生年月日、続柄を戸籍どおりに漏れなく記載しましょう。
また、最後の本籍や相続人の住所は記載するか選べるため、利用する手続きに合わせて判断することが大切です。
相続放棄をした方も法定相続人であることに変わりはないため、一覧図には記載します。
一方、家庭裁判所の廃除によって相続権を失った方は記載しないため、戸籍や関係書類を確認しながら正確に作成すると安心でしょう。
管轄の法務局への申出
一覧図と必要書類、法務局所定の申出書がそろったら、書類一式を確実にまとめて管轄する登記所へ提出します。
申出先は、被相続人の本籍地や最後の住所地、申出人の住所地、不動産の所在地を管轄する各法務局からいずれかを選択できます。
また、提出は窓口への持参だけでなく郵送にも対応しており、郵送する場合は宛名を記入して切手を貼った返信用封筒を同封します。
登記官の確認が完了すると、認証文や発行日が記載された一覧図の写しが専用紙で交付される仕組みです。
さらに、写しの交付手数料は無料で、必要な通数をまとめて受け取れるほか、当初の申出人であれば、申出日の翌年から5年間は再交付を申し出ることもできます。
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まとめ
法務局が交付する法定相続情報一覧図には、亡くなった被相続人の氏名や最後の住所といった基本情報と、法定相続人全員の氏名や正確な続柄が記載されます。
不動産の相続登記や銀行での預貯金手続などに幅広く利用でき、写しを無料で複数枚取得できるため、分厚い戸籍謄本を何度も提出する手間を大幅に省けます。
実際に取得するには、戸籍謄本などの必要書類を集めてA4サイズの白紙に一覧図を作成し、管轄の法務局へ窓口か郵送で一式を提出して申し出ると良いでしょう。
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