不動産相続の遺言書の種類について!3つの方式も解説

大切な不動産の相続を見据えて遺言書の作成を検討しているものの、専門用語が多くてどの種類を選べばよいかわからずにお困りではありませんか。
ご自身の状況や目的に合わない形式を選んでしまうと、いざという時に法的な効力が認められず、大切なご家族間で思わぬトラブルに発展してしまうリスクがあります。
本記事では、そのようなお悩みを解決するために、遺言書の代表的な三類型である自筆証書・公正証書・秘密証書ごとの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
後々の世代まで大切な不動産を円滑に引き継ぎ、ご家族の安心を守りたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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自筆証書遺言のメリットとデメリット

相続で遺言書の種類を考えるときは、不動産の承継にも関わる自筆証書遺言をまずおさえることが大切です。
まずは、不動産を含む相続を想定しながら、自筆証書遺言の要件や保管制度を解説します。
自筆証書遺言の基本要件
自筆証書遺言は、遺言者が本文、日付、氏名を自分で書き、押印して作成する方式です。
ただし、本文が手書きでない場合や日付が特定できない場合は、効力が問題になることがあります。
また、氏名は戸籍どおりに記し、押印は認印でも有効ですが、スタンプ印は避けるとよいでしょう。
不動産を相続させるときは、住所だけでなく登記上の所在や地番、家屋番号も確認します。
そのため、登記事項証明書を見ながら、対象の土地や建物を正確に書き写してください。
思い込みで記載すると別の物件と判断される恐れがあるため、資料を手元に置いて慎重に進めると良いでしょう。
財産目録と作成しやすさ
自筆証書遺言の魅力は、紙とペン、印鑑があれば自宅でも落ち着いて作成しやすい点にあります。
さらに、公証役場の手数料や証人の手配が不要なため、費用を抑え、周囲に内容を知らせず準備しやすいでしょう。
家族構成や、財産状況が変わったときも、ご自身の意思に合わせて柔軟に書き直せます。
なお、2019年の法改正で、財産目録はパソコン作成や通帳コピーの添付が認められました。
不動産が多い場合は登記事項証明書のコピーを活用し、物件名や地番を書く負担を減らせるでしょう。
ただし、目録の差し替えを防ぐため、全ページに本人の署名押印を忘れず、本文と一緒に保管してください。
無効や紛失を防ぐ工夫
自筆証書遺言は、手軽な一方で、日付の漏れや訂正方法の誤りがあると無効になる恐れがあります。
そのため、修正液は使わず、書き損じたときは新しい用紙で作り直すほうが良いでしょう。
また、紛失や改ざんを防ぎたい場合は、2020年に始まった法務局の遺言書保管制度が有効です。
所定の書式で作った遺言書を預ければ、原本と画像データを公的に管理してくれる制度です。
この制度を利用した自筆証書遺言は、検認が不要となり、相続登記や金融機関の手続きへ進みやすくなります。
保管場所を家族へ細かく伝えにくい方でも、制度を使えば発見されない心配を減らせるでしょう。
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公正証書遺言で遺言の確実性を高めるポイント

前章では、自筆証書遺言の手軽さと注意点について述べましたが、確実性をより高めたい場合もありますよね。
ここでは、公正証書遺言の手続きや必要書類、メリットと費用面の考え方について解説します。
手続きの流れと必要書類
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を聞き取り、公的な文書として作成する方式でしょう。
まず、公証役場で内容を相談し、相続人や財産がわかる資料をそろえ、希望する分け方を整理して手続きを進めましょう。
不動産を含む場合は、登記事項証明書や固定資産評価証明書を用意しておくと安心でしょう。
当日は遺言者と証人2名以上が同席し、公証人の読み聞かせ後に署名押印をおこないます。
なお、未成年者や推定相続人、受遺者、これらの配偶者や直系血族などは証人になれないため、慎重に選んでください。
外出が難しい場合は出張作成を相談できるので、体調に不安がある方も、必要書類とあわせて早めの確認が大切です。
確実性と保管の安心感
公正証書遺言の大きな強みは、公証人が法令に沿って文面を整え、形式面の不安を軽くできる点です。
また、不動産の記載も登記情報に基づいて確認しやすく、物件特定の不安を減らせるでしょう。
作成後の原本は、公証役場で保管されるため、手元の正本や謄本をなくしても再発行が可能です。
さらに、遺言検索の仕組みにより、亡くなった後に遺言の有無を調べやすいことも良い点です。
自筆証書遺言と異なり検認が不要なため、金融機関や不動産の名義変更手続きへ速やかに進めます。
相続人が書式の確認で迷いにくく、残された家族の負担を抑えやすい方式といえるでしょう。
費用と証人確保の考え方
公正証書遺言の作成手数料は、財産の価額や財産を受け取る人数で変動します。
そのため、評価額の高い不動産を含むときは、事前に公証役場へ目安を確認し、全体の予算を把握すると安心です。
また、証人2名には遺言内容を知られる可能性があるため、信頼できる第三者を選びましょう。
知人へ頼みにくい場合は、公証役場や弁護士、司法書士などへ相談する方法もあります。
専門家には守秘義務があるため、財産内容や家族事情を落ち着いて話しやすい点もメリットです。
費用はかかるものの、確実性や手続きの進めやすさを重視する方には検討しやすい選択肢となるでしょう。
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秘密証書遺言で内容を伏せて意思を残す方法

ここまで、自筆証書遺言と公正証書遺言を解説しましたが、内容を伏せたい場合の方式も、おさえておきましょう。
最後に、秘密証書遺言の成立要件や活用場面、利用時の注意点について解説します。
成立要件と向いている場面
秘密証書遺言は、内容を封印したまま、公証役場で存在を証明してもらう方式です。
まず、遺言者が書面に署名押印し、封筒へ入れたうえで同じ印鑑により封印します。
次に、公証人1名と証人2名以上の前で封筒を示し、自分の遺言書であることや、筆者の氏名・住所を伝えます。
本文は、パソコン作成や代筆でも認められるため、地番が多い不動産や複数の財産も読みやすく整理しやすいでしょう。
ただし、署名は本人が自筆でおこない、押印と封印の印鑑をそろえる必要があります。
内容を伏せつつ存在だけを残したい方には、秘密性と形式面のバランスを取りやすく、慎重に意思を残したい方に合う方式です。
内容を伏せられるメリット
秘密証書遺言は、誰にどの財産を渡すかを生前に知られたくない場合に向いています。
たとえば、特定の相手へ不動産を承継させたいときも、本文を見せずに準備できます。
また、公証人や証人にも内容を明かさないため、複雑な事情を抱える方も、気持ちの負担を抑えて利用しやすいでしょう。
一方で、公証役場には作成した事実が記録されるため、存在を示しやすい点も特徴です。
封印状態を確認してもらえるので、不当な開封や改ざんに気づきやすい点も役立つでしょう。
家族へ詳細を説明する前に意思を形にできるため、気持ちを整理する時間も確保しやすく、落ち着いて家族への伝え方を考えられます。
開封前後の注意点
秘密証書遺言では、公証人が本文の内容や法的な有効性まで確認するわけではありません。
そのため、不動産の表記があいまいだと、相続登記の場面で確認や補足資料が必要となり、手間が増える可能性があります。
封印前に弁護士や司法書士へ文面を確認してもらうと、安心して準備を進められるでしょう。
また、遺言書は手元に戻るため、保管場所を決め、信頼できる方へ存在だけ伝えてください。
亡くなった後に見つかった場合は勝手に開けず、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
証人や保管方法にも気を配り、秘密性を守りながら手続きに支障が出ないよう、発見後の流れまで整えておきましょう。
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まとめ
自筆証書遺言は、費用を抑えて作成できますが、無効や紛失を防ぐために法務局の保管制度を利用すると手続きが円滑です。
公正証書遺言は、公証人と証人2名以上が作成と保管に関わるため確実性が高く、検認不要で相続手続きも速やかになります。
秘密証書遺言は、内容を伏せて存在を証明でき、パソコン作成も可能ですが、有効性は確認されず死後の検認が必要です。
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