相続土地国庫帰属とは?費用やメリットについても解説

将来使う予定のない土地を相続することになったが、管理や処分に困っているというお悩みをお持ちではありませんか。
需要の低い土地は買い手が見つかりにくく、所有し続けることで、固定資産税や管理の手間といった負担だけが重くのしかかってくる可能性があります。
本記事では、そのような土地を国に引渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」の概要や利用条件、費用について解説します。
不動産の相続を控えており、土地の処分方法や将来の負担軽減について検討されている方は、ぜひご参考になさってください。
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相続土地国庫帰属制度とは

相続した不要な土地を手放す手段として、この新しい制度の全体像を正しく理解することが重要です。
まずは、相続土地国庫帰属制度の創設背景や、利用条件について解説していきます。
制度創設の背景と目的
相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈で取得した土地を国へ引き渡せる仕組みとして、令和5年4月27日に開始されました。
背景には、登記簿を確認しても所有者がわからない所有者不明土地が増加し、管理や引継ぎが難しくなっている現状があります。
全国の土地のおよそ22%が該当するとされ、面積に換算すると九州本島を上回る規模とも言われています。
従来は一度取得した土地を手放す選択肢が乏しく、相続人にとって負担となるケースが少なくありませんでした。
そこで相続登記の義務化とあわせ、管理が困難な土地の受け皿を用意し、将来の安心につなげる目的で制度が創設されたのです。
申請から国庫帰属の流れ
手続きをスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが大切です。
まずは、法務局へ相談して、要件の確認や書類準備の方向性を整理することから始めましょう。
次に、申請書と添付書類を提出し、審査手数料を納めると書面審査や実地調査がおこなわれます。
承認通知が届いたら指定された負担金を30日以内に納付し、納付確認後に国が所有権移転登記をおこなう流れです。
なお、ご自身で登記手続きをおこなう必要がなく、負担が少ない点がメリットとなります。
承認される土地の要件
本制度の対象は、相続または遺贈によって取得した土地に限られ、売買や生前贈与で取得した土地は含まれません。
共有地の場合は、共有者全員での申請が必要となるため、事前に意思を統一しておくことが重要です。
承認には、建物がなく抵当権などが設定されていない更地であり、境界が明確で第三者の利用予定がないことが求められます。
そのため、崖地や埋設物があるなど、管理に過度な費用や労力がかかる土地は、承認が難しくなる傾向があります。
なお、山林や原野でも申請は可能なため、放置物の整理や境界確認を進めておくと、手続きを円滑に進めやすくなるでしょう。
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相続土地国庫帰属制度にかかる費用と負担金の計算

前章では、相続土地国庫帰属制度の仕組みについて述べましたが、実際に手続きを進めるとなると金銭的な負担も気になりますよね。
ここでは、申請時にかかる手数料や、納付すべき負担金の算定方法について解説します。
審査手数料の額と支払い
審査手数料は、申請を受け付けてもらうために必要な費用で、土地1筆につき一律1万4,000円となっています。
1筆とは登記上の土地の単位を指し、隣り合っている土地であっても筆が分かれていれば、それぞれの土地に手数料が必要です。
複数の土地をまとめて申請される場合は、あらかじめ登記事項証明書などで筆数を確認し、総額を試算しておくと良いでしょう。
なお、この手数料は申請書を提出するタイミングで納付する必要があるため、事前に準備しておくと手続きがスムーズになります。
まずは法務局の事前相談を活用し、要件の適合について見通しが立ってから申請へ進むことで、無駄のない資金計画が立てられるでしょう。
負担金の算出根拠と目安
負担金は、国が土地を引き取った後の管理費用として、承認後に一度だけ納めるお金です。
承認通知にて示された金額を30日以内に納めることで、正式に国庫への帰属が決まり、所有権の移転が確定します。
基本額は原則として20万円であり、10年分の標準的な管理費用を基準に算出されます。
ただし、土地の種類や面積、その区域の条件によっては、基本額に加算される場合があることも覚えておきましょう。
正確な金額は審査を経て確定しますが、承認通知が届いてから慌てないよう、余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。
土地種別の費用試算例
具体的なイメージをつかむために、いくつかのケースで費用を試算してみましょう。
宅地150㎡で1筆の場合は、審査手数料1万4,000円と負担金20万円で、合計21万4,000円が目安です。
農地でも面積が小さければ同様ですが、宅地100㎡と畑200㎡の2筆では、手数料が2万8,000円になります。
また、市街地の広い宅地300㎡などでは負担金が加算される可能性があり、25万円の場合は、総額で約26万4,000円を見込む必要があります。
なお、承認通知書に記載された期限内に手続きを完了させておくと、将来の計画も立てやすくなるでしょう。
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相続土地国庫帰属制度を利用するメリット

ここまで、相続土地国庫帰属制度の費用面などを解説しましたが、制度を利用することで得られる利点とリスクもおさえておきましょう。
最後に、メリットや利用時の注意点について解説していきます。
精神的・経済的なメリット
相続した土地を国へ引き継ぐことで、長年抱えてきた管理の悩みから解放され、精神的な負担が軽減されます。
固定資産税の支払いや、草刈りなどの維持管理が不要になれば、家計面でも余裕が生まれ、日々の管理もしやすくなるでしょう。
とくに、遠方にお住まいの方にとっては、移動や現地確認の手間がなくなり、生活や家族との時間を大切にしやすくなります。
さらに、土地を保有し続けるか迷っている場合でも、この制度を知っておくことで、売却や活用との比較検討がしやすくなります。
将来の方針が定まれば相続人同士の話し合いも円滑に進み、他の資産計画にも前向きに取り組めるでしょう。
社会貢献としてのメリット
所有者不明土地の増加が課題となるなか、相続土地国庫帰属制度を活用することは、社会全体にとっても意義のある選択といえます。
相続の段階で権利関係が整理され、管理主体が明確になることで、地域環境の維持につながります。
その結果、道路や防災などのインフラ整備が進み、周辺土地の活用や取引も円滑になりやすくなるでしょう。
登記や管理への意識が高まれば、良好な状態で土地を引き継ぐ文化が育まれ、次世代への承継も進みます。
さらに、個人の判断が地域の安心や将来の発展に寄与する点も、この制度ならではの価値といえるでしょう。
利用時のチェックポイント
相続土地国庫帰属制度が完了すれば管理の責任は国に移りますが、申請にあたっては、いくつか確認しておくべきポイントがあります。
審査をスムーズに進めるためにも、事前の現況確認として建物や放置物がある場合は撤去し、更地の状態に整えましょう。
また、共有地の場合は共有者全員の意思を確認したうえで、連絡体制を整えておくことも重要です。
さらに、期限内の納付が必要なため、手数料と負担金の準備をして資金を確保しておくと良いでしょう。
この制度だけでなく、売却や有効活用ができる可能性もあるため、まずは信頼できる不動産会社や専門家へ相談してみるのもおすすめです。
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まとめ
相続土地国庫帰属制度は、所有者不明土地の解消を目的に令和5年から始まり、要件を満たす相続地を国へ引き渡せる仕組みです。
申請時には、土地1筆につき1万4,000円の審査手数料が必要で、承認後は原則20万円の負担金を10年分の管理費として納付します。
管理負担から解放される一方で、更地化や資金計画が求められるため、専門家に相談しながら慎重に検討すると良いでしょう。
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