廃業時に法人名義の不動産は売却できる?売却方法や流れを解説

会社の廃業時に必要な手続きの一つとして、不動産の処分があります。
法人名義の不動産は個人名義と扱いが異なる点があるため、売却はどのようにすればいいのか不安に思う方もいるかもしれません。
今回は、廃業時に法人名義の不動産は売却できるのか、売却方法や流れを解説します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
廃業時に法人名義の不動産は売却できる?

結論から言うと、廃業時に法人名義の不動産を売却することは「できる」といえます。
しかし、法人名義の扱いは抵当権が設定されていない場合、されている場合によって扱いが異なります。
また、売却は清算結了前におこなうことが必要です。
ここでは、それぞれのケースや注意点に分けて解説します。
抵当権が設定されていない場合
法人名義の不動産は、ほかの事業者によって抵当権が設定されていなければそのまま売却が可能です。
抵当権とは融資を受ける際に設定される債権者の権利のことです。
抵当権が設定されている不動産は担保となり、債務の返済が滞ると債権者による差し押さえが可能になります。
融資なしで購入した不動産もしくは、債務の返済が完了している不動産には抵当権が設定されていません。
法人名義の不動産で抵当権が設定されていない場合は、個人所有の土地や住宅と同様に売却が可能です。
抵当権が設定されている場合
抵当権が設定されている場合は、債権者から許可を得て売却をする必要があります。
債務の返済が完了していない場合は、不動産の売却代金で残債を支払う任意売却をおこなうケースがあります。
任意売却は債権者である金融機関によってリスクがあるため、許可が出ない場合もあるのです。
廃業時に残債が残っている不動産を売却する場合は、金融機関との交渉が必要となるでしょう。
売却は清算結了前におこなう必要がある
法人名義の不動産の売却は清算結了前におこなう必要があります。
清算結了とは財産をすべて処分し、会社を消滅させることです。
処分する必要のある財産には不動産も含まれます。
清算結了後に法人名義の不動産が残っている場合、法人の消滅時におこなった清算結了登記を抹消して、再度清算人を選任し直し、不動産を処分する手間がかかります。
清算結了後に処分していない不動産などの財産が見つかると、余分な手間や時間や費用がかかるため、注意が必要です。
なお、法人名義の不動産の売却は、会社解散後の清算手続き中である清算事業年度におこなうことがおすすめです。
清算事業年度に売却すると資産から負債を差し引いた清算所得のみが課税され、節税効果を得られます。
ただし、税務上の扱いは会社ごとの損益状況や売却方法によって異なり、必ずしも節税になるとは限りません。
売却前には税理士に相談し、課税の影響を確認することをおすすめします。
▼この記事も読まれています
不動産売却におけるバーチャルステージングとは?メリットとやり方を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
廃業時に法人名義の不動産を売却する方法

廃業時に法人名義の不動産を売却する方法には、主に3つの選択肢があります。
ここでは、それぞれの方法について解説します。
方法①第三者に売却する
法人名義の不動産を売却する一つの方法は、第三者に売却することです。
不動産の購入希望者を探して売買契約を結ぶ、最も一般的な方法と言えます。
第三者に売却する場合、買い手がスムーズに見つかるとは限らない点がデメリットです。
会社の解散から1年以上経っても清算結了ができていない場合には、1年ごとに決算申告をすることが求められています。
買い手が見つからない場合は、見つかるまで決算申告をしなければいけません。
売却価格を下げれば買い手が早く見つかる可能性もありますが、高値で売りたい場合は売却までに相当な時間を要するケースもあります。
方法②社長自身が買い取る
会社の社長自身が法人名義の不動産を買い取る方法もあります。
法人規模の不動産を個人が買い取るとなると、経済的に大きな負担になる場合があるでしょう。
しかし、相場よりも安い価格で売却することにはリスクがあります。
法人名義の不動産を社長が相場より安く買い取ると「みなし贈与」の扱いとなる可能性があるからです。
みなし贈与と判断されると贈与税と延滞税の支払いが課せられます。
また、法人から不動産を安い価格で買い取ると、最終的に分配される残余財産が減るため、債権者や株主からクレームが発生する可能性もあります。
そのため、社長自身が不動産を買い取る場合は、相場どおりの価格設定をすることがおすすめです。
方法③会社ごと売却する
廃業時の財産処分には手間がかかるため、会社ごと売却することを選択する企業もあります。
会社の事業と一緒に法人名義の不動産を売却する場合、清算手続きが不要となるメリットがあります。
ただし、廃業となった会社は他者からの需要が低いため、買い手を見つけることは困難です。
買い手が決まれば手続きが楽になる方法ではありますが、不動産のみを売却する場合より買い手を見つけるハードルは高いと言えます。
▼この記事も読まれています
マンションの売却でよくある失敗事例と失敗しないための対策について解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
廃業時に法人名義の不動産を売却する場合の流れ

廃業時には多くの手続きが必要となるため、あらかじめ流れを把握しておくとスムーズに進められます。
ここでは、法人名義の不動産を売却する流れを4ステップに分けて解説します。
流れ①会社解散の決議と清算人の選任
廃業が決まったら、まずは解散を株主総会で決議します。
解散を決議してから2週間以内に法務局で登記をおこなうことが必要です。
会社が解散すると取締役は役職を失い、清算事務を執行する清算人の選任が必要となります。
清算人についても、株主総会で選任決議した後、法務局で登記をします。
流れ②保有資産を売却する
解散決議をした後は会社の事業活動は停止となり、保有資産の清算が始まります。
清算とは会社が持つすべての資産を売却もしくは処分し、名義を法人から他者へ変えることです。
清算には会社の債務を返済することも含まれます。
建物や土地などの不動産を売却すれば現金収入が得られるため、売却代金を債務に充てるケースもあります。
売却した不動産は法務局で所有者の変更登記をおこなわなければいけません。
売却した資産は売却代金や手数料などの金額を集計しておく必要もあります。
流れ③債権の取立と債務の返済
会社に売掛金や未収入金にの債権がある場合は、債務者からの回収ができます。
買掛金や未払金などの債務がある場合は、相手への返済も必要です。
会社が解散すると取締役は役職を失い、清算事務を執行する清算人の選任が必要となります。
法人の廃業にあたり資産と負債を整理することは、法的義務であると同時に、取引先や関係者との信頼関係を保つために重要なステップです。
流れ④残余財産の確定と分配
資産の処分と債務の整理が完了したら、最終的に残余財産として現金が残ります。
残った現金は株主への配分が必要です。
分配は会社の定款や株主総会の決議にもとづき、保有株式数に応じて公平におこなわなければいけません。
残余財産の1株あたりの金額を計算し、株主と保有株に応じた分配をおこないます。
たとえば、発行済株式数が1,000株で残余財産が1,000万円ある場合は1株あたりの分配金は1万円です。
残余財産の分配をおこなうと、会社の清算事務はすべて完了したことになります。
最後に清算結了登記をおこなえば会社は消滅し、廃業の手続きも完了します。
▼この記事も読まれています
不動産所有者が入院していても売却は可能!売却方法を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
廃業時に法人名義の不動産を売却することは「できる」といえますが、抵当権が設定されている場合は債権者からの許可が必要です。
法人名義の不動産を売却する方法には、第三者への売却、社長自身が買い取る、会社ごと売却するの3つの方法があります。
廃業時に不動産売却をする場合はまず清算人を選任し、不動産を売却し、債権・債務を整理し、残余財産を分配する流れでおこないます。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
