不動産売却の購入申込書とは?見方や記載項目の注意点を解説

購入コラム

不動産売却の購入申込書とは?見方や記載項目の注意点を解説

売却活動中の不動産について購入希望者が現れると、不動産会社をとおして購入申込書が渡されます。
購入希望者がいるのは喜ばしいですが、この段階で書類をしっかり確認し売却を吟味することは欠かせません。
そこで今回は、不動産売却の購入申込書とはなにか、見方や記載項目の注意点について解説します。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

不動産売却の購入申込書とは?

不動産売却の購入申込書とは?

不動産売却において購入申込書を受け取ったら、書類を通じてどのような方が購入を希望しているのかをよく確認する必要があります。
ここでは、「不動産売却の購入申込書の概要」「素早い返答が求められる理由」「購入申込書から交渉方針を決める方法」「返答は申込順でなくても良い」の項目に分けて解説します。

不動産売却の購入申込書の概要

不動産売却の購入申込書とは、物件の内覧を終えた購入希望者が、購入の意思表示として売主に提出する書類です。
購入申込書は「買付証明書」と呼ばれることもあります。
売主は購入申込書を受け取った時点で、申込を受け入れて交渉に進むか、断るかを決定します。
購入申込書の内容は、後の協議や売買契約書に反映されるため、売主は慎重に確認することが重要です。

購入申込書に素早い返答が求められる理由

購入申込書は、あくまで購入希望の意思表示であり、正式な契約ではありません。
提出後に購入希望者の気持ちが変わり、キャンセルしても問題はなく、法的拘束力もありません。
購入の決定後でも、「ほかの優良物件が見つかった」や「知人に購入を反対された」などの理由でキャンセルが発生する可能性があります。
売主からの返答が遅くなるほど、購入希望者の気持ちが揺らぐ要素が増える可能性があります。
このような状況では、慎重な検討が求められますが、できるだけ迅速な返答が重要です。

購入申込書から交渉方針を決める方法

購入申込書からは、交渉方針を決定する際に役立つ買主の情報を読み取ることができます。
たとえば、資金面に余裕がない買主であれば、引き渡しまでの期間を長く設定し、その間により良い条件の買主を探すことも検討できます。
引き渡し時期を急ぐ買主や、特別な事情でその物件にこだわる買主に対しては、金額面で強気な交渉が可能かもしれません。
買主の事情と売主側の事情を照らし合わせ、交渉を有利に進める方法を検討することができます。

返答は申込順でなくても良い

不動産の売却活動中に、複数の購入希望者から購入申込書を受け取ることがあります。
基本的には、早く申し込んだ方に優先的な交渉権がありますが、最終的な売却先を決定する権限は売主にあります。
価格や購入条件、融資の確実性などを比較したうえで、より好条件な購入希望者と交渉を進めることも可能です。
価格以外の条件が同じ場合、1番手に希望価格の再検討を促し、そのあと2番手以下との交渉に進むと良いでしょう。

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不動産売却における購入申込書の見方や記載項目

不動産売却における購入申込書の見方や記載項目

購入申込書を始めて見る方の場合、「どこを見たら良いのかわからない」と迷うかもしれません。
ここでは、購入申込書の確認しておきたいポイントとして「売買価格」「手付金」「住宅ローン」に分けて解説します。

購入申込書の見方①売買価格

不動産売却の購入申込書で最も重要なのは、売買価格です。
売主が設定している売り出し価格を下回る価格が希望されることが一般的です。
そのため、できる限り高値の購入希望者を選び、売り出し価格との差が大きくならないようにする必要があります。
どこまで買主の希望価格に応じるかは、ローンの残債や仲介手数料などを差し引いて手元に残る費用を基に判断しましょう。
一方で、売却が進まない間にも管理費や住宅ローンの金利などが発生し続けるため、交渉に応じて早期に売却することが有利な場合もあります。

購入申込書の見方②手付金

手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払う代金で、契約が履行されれば売買代金の一部として充当されます。
手付解除期日までであれば、買主は手付金を放棄することで契約を解除できます。
売主も、手付金に加え同額のペナルティを支払うことで契約解除が可能です。
手付金は売買代金の5~10%程度が一般的ですが、約10%を目安とするケースが多いです。
契約解除に関わる重要な項目であるため、確認しておきましょう。

購入申込書の見方③住宅ローン

購入申込書では、買主が不動産の代金を支払うために組む予定の住宅ローンについても確認する必要があります。
住宅ローンの事前審査を経てから売買契約を結ぶのが一般的であるため、契約後に本審査で落ちる可能性は低いです。
しかし、買主が審査に落ちた場合、購入が白紙に戻るリスクがあるため、注意が必要です。
とくに、買主が不動産の代金を超える金額のローンを組む場合、審査に落ちるリスクが高まるため、慎重に対応しましょう。

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不動産売却における購入申込書を受け取った場合の注意点

不動産売却における購入申込書を受け取った場合の注意点

不動産売却における購入申込書を受け取った場合は、内容を冷静に確認する必要があります。
購入申込書の確認時の注意点として「購入希望額の根拠」「手付金が安すぎないか」「購入希望日までの期間が長すぎないか」に分けて解説します。

注意点①購入希望額の根拠

購入申込書の購入希望額は、金額だけでなく、その額が妥当であるかどうかを検討することも重要な点です。
購入希望者によっては、破格の金額を記入し、売り急ぐ売主の了承を得られないかどうか試すケースもあるため、注意が必要です。
妥当な価格の一例として、査定価格の103%~105%程度を目安にする場合もあります。
たとえば、査定価格が2,500万円の物件を2,800万円で売り出している場合、購入希望価格が2,575万円~2,625万円程度であれば、交渉に応じても良いといえます。

注意点②手付金が安すぎないか

不動産売買における手付金は、5~10%程度が一般的ですが、約10%を目安とするケースが多いです。
ただし、明確な規定はないため、手付金の額は売主と買主の間で自由に決定できます。
手付金の額が少ないと、より良い条件の物件が見つかった場合に買主が手放す額が少ないため、容易にキャンセルされやすくなるリスクがあります。
購入希望者が極端に安い手付金を設定している場合、キャンセルを前提に申し込んでいる可能性も考えられるため、注意が必要です。
手付金が高めに設定されていると、買主としても解約をためらう傾向が強まり、契約成立の確実性が高まるでしょう。

注意点③購入希望日までの期間が長すぎないか

購入希望者が記入する購入希望日は、キャンセルのリスクを測る重要なポイントです。
購入希望日までの期間が長いと、購入の判断が後ろ向きになる可能性が高まります。
キャンセルのリスクを低減させるためには、購入申込書を受け取ってから遅くとも1週間以内に売買契約を結ぶことが推奨されます。
ただし、ホームインスペクションを実施するために、購入希望日までの期間を長く設定するケースもあります。
ホームインスペクションとは、専門家が住宅の劣化度合いや改修の必要性を調べる住宅診断です。
ホームインスペクションを実施することで、建物の不具合を早期に発見できるというメリットがあります。
重大な欠陥が見つかった場合、補修や価格交渉が検討でき、売主と買主の双方にとってリスクを減らすことができます。

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まとめ

不動産売却の購入申込書とは、物件の内覧を終えた購入希望者が購入の意思表示として売主に提出する書類を指します。
購入申込書の見方としては、主に「売買価格」「手付金」「住宅ローン」を確認しましょう。
手付金が安すぎないか、購入希望日までの期間が長すぎないかなどもチェックしておきたい注意点です。


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