相続した不動産の名義変更はなぜ必要?手続きの方法も解説

相続コラム

相続した不動産の名義変更はなぜ必要?手続きの方法も解説

「相続登記の義務化」というニュースを見聞きした方は多いのではないでしょうか。
2024年4月、相続で取得した不動産の名義変更が義務化されました。
義務化には過去の相続も含まれるため、これから取得する予定のある方だけでなく、相続によって不動産を取得したことがある方も、注意しなくてはなりません。
そこでこの記事では、相続による不動産の名義変更とはなにか、名義変更をしなくてはならない理由や、手続きの方法などを解説します。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

相続による不動産の名義変更とは

相続による不動産の名義変更とは

不動産の状況や権利に関する情報は、登記簿に記録されています。
記録されている内容は、その不動産はどこにあるのか、どのくらいの面積があるのか、どのように使われているのか、所有者は誰なのか、などです。
不動産に関する情報に変更があった場合は、登記簿に書かれている情報を書き換えなくてはなりません。
この手続きのことを、「登記」といいます。
冒頭ですでにご紹介しましたが、相続による不動産の名義変更は、正式には「相続登記」と呼ばれる手続きです。

相続登記をするとどうなる?

人が亡くなると、その方の財産や負債を遺された方々で分け合うことになります。
財産に不動産が含まれる場合、遺族の誰かひとり、もしくは複数人で相続することが一般的です。
死亡が確認されたあとは死亡届を提出しますが、その情報が登記簿に紐づけられることはありません。
相続登記をおこなわずにいると、いつまで経っても不動産の所有者は故人のままです。
相続登記をおこなってはじめて、登記簿上の不動産の所有者が被相続人(故人)から相続人に変わります。

相続登記の期限はいつ?

相続登記の期限は、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内」です。
「故人が亡くなってから」ではない理由として、故人との関係や事情によっては、死後何年も経ってから死亡の事実を知る可能性があることが挙げられます。
相続登記の義務化にともない、相続登記を期限内におこなわなかった方に対する罰則(10万円以下の過料)が定められました。
故人の死亡を知らずに期限が過ぎてしまった場合、罰を受けるのは公平ではありません。
そのため、故人が死亡した日ではなく、相続の事実を知った日が基準となっています。
なお、2024年4月1日よりも前に生じた不動産相続の相続登記は、2027年3月31日が期限です。

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相続登記をしなくてはならない理由とは?

相続登記をしなくてはならない理由とは?

罰則まで定めたうえで相続登記が義務化された理由のひとつが、所有者不明の土地の増加です。
所有者不明の土地とは、登記簿を確認しても所有者がわからない、もしくは所有者と連絡がつかない土地のことをいいます。
土地に限らず、不動産の活用や処分は登記の名義人(所有者)でなくてはおこなえません。
所有者が複数存在する場合は、全員の同意が必要です。
所有者のうち一人でも連絡がつかない方がいるのであれば、その不動産の活用は難航するでしょう。
日本は島国であり、豊かに暮らすためには限られた土地を有効活用しなくてはなりません。
また、地震大国でもあり、住民の避難場所の設置が必要不可欠です。
しかし「この土地を活用すると地域の利便性が向上しそうだ」と考えられる土地であっても、所有者がわからない場合は、他者が勝手に活用することはできません。
そのため、所有者不明の土地が増加すると、安全で住みやすい街づくりが難しくなってしまうのです。
2023年の時点で日本全国に存在する所有者不明の土地の広さをあわせると、九州の面積よりも広くなるといわれています。
時間の経過とともに土地の所有者は亡くなり、次の世代に引き継がれます。
これまでどおり相続登記を任意にしてしまうと、所有者不明の土地はどんどん増えてしまうでしょう。
このほかにも、相続時に名義変更を怠ると、次のような問題が生じるおそれがあります。

●不動産の権利をめぐって相続人同士で揉める
●第三者に所有権を主張できない
●ほかの相続人の借金によって不動産が差し押さえにあう


登記簿は、不動産の権利関係を公的に示すものです。
相続時に「兄弟全員で不動産の権利を平等に相続しましょう」と口約束をしたとしても、きちんと登記をおこなわなくては証明するものがありません。
言った・言わないのトラブルになったり、約束の内容があいまいになったりと、将来的に不都合が生じてしまうでしょう。
同様に、第三者に対しても、「わたし(わたしたち)が不動産の所有者です」と主張することができません。
また、被相続人の名義のままにしておくと、被相続人もしくは相続人に借金がある場合に、その不動産を差し押さえられてしまうおそれがあります。
債権者は、被相続人の代わりに相続登記をおこなうこと(代位登記)が可能です。
たとえば、父の土地の相続人が兄弟2人であり、弟に借金があるとします。
父の名義のままにしておくと、債権者は父から兄弟に名義変更をしたうえで、弟が所有する部分だけを売却し、お金を回収することができるのです。
兄弟間の口約束で「兄は不動産の4分の3、弟は4分の1を相続する」と決めたとしても、債権者は法律で決められた割合(法定相続分)で相続登記をおこなうため、兄弟の希望は反映されません。
兄弟2人の場合は、2分の1ずつの割合で登記されてしまいます。
兄は弟の借金のために、自分が所有していたはずの部分まで差し押さえられてしまう可能性があるのです。

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相続登記の手続きの方法とは?

相続登記の手続きの方法とは?

相続登記を怠ると、地域の負担になったり、ご自身の権利を守れなかったりと、大きなデメリットが生じます。
定められた期限内に手続きをおこなわないと過料に科されるおそれもあるため、注意が必要です。
相続登記の手続きは専門家に依頼すると便利ですが、相続人が少ないケースなどでは自分でおこなうこともできます。
ご自身で相続登記をおこなう際の手続きの方法は、次のとおりです。

必要書類を集める

相続登記の必要書類は、遺産分割協議をおこなったのか、法定相続分どおりに相続したのか、遺言書があったのかによって異なります。
状況によっては追加の必要書類が発生することもあるため、法務局に確認すると良いでしょう。

●被相続人の戸籍謄本
●被相続人の住民票の除票
●相続人の戸籍謄本
●相続人の住民票
●固定資産評価証明書


上記は、ほとんどのケースで必要となる書類です。
被相続人に関する書類は取得に時間がかかるおそれがあるため、余裕を持って行動することをおすすめします。

必要書類を提出する

登記申請書を作成して必要書類を添付し、相続した不動産の所在地を管轄する法務局へ提出します。
法務局の窓口に提出する方法のほか、郵送やオンラインでの提出も選択可能です。
なお、登記の手続きの際には「登録免許税」という税金を支払います。
登録免許税の金額や計算式は登記の内容によって異なり、相続にともなう名義変更の場合は「固定資産税評価額×0.4%」です。
登記申請書の提出の際に、収入印紙もしくは現金で納付します。

登記識別情報通知(権利証)を受け取る

申請書や必要書類に不備がなければ、登記識別情報通知書が届きます。
登記識別情報通知書は、以前は「権利証」と呼ばれていた書類です。
登記識別情報通知が届いたら、きちんと名義変更ができているかを確認し、なくさないように大切に保管しましょう。
登記識別情報通知の到着時期は、申請後1~2週間が目安です。

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まとめ

相続登記とは、相続にともなう不動産の名義変更のことです。
所有者不明の土地の増加などが理由となり、2024年4月に義務化されました。
相続登記の手続きは自分でおこなうことも可能であり、必要書類を集めて法務局に提出する流れです。


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