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相続でトラブルのもとになる?知っておきたい相続欠格!

相続コラム

相続でトラブルのもとになる?知っておきたい相続欠格!

不動産を相続する際、相続人のなかに相続欠格者がいるケースがあります。
このような場合、相続の手続きは、どのように進めていけば良いかわからない方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、そもそも相続欠格とはなにかについてと、相続欠格になるとどうなるのか、勘違いしやすい相続廃除との違いについて解説します。

この記事の執筆者

このブログの担当者  木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

相続における相続欠格とは?

相続における相続欠格とは?

まずは、相続欠格の概要について解説します。

相続欠格の概要

相続欠格とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の遺産を相続できなくなることです。
また、相続人が受け取れる最低限の遺産の取り分である遺留分も受け取れなくなります。
たとえ遺言があった場合でも、遺産は受け取れません。

相続欠格が認められる5つの事由

相続欠格は、下記のいずれかの事由に該当した場合に認められます。

●故意に被相続人または同順位以上の相続人を死亡、または死亡させようとした
●被相続人が殺害されたのを知って告訴や告発をおこなわなかった
●詐欺や脅迫によって遺言を取り消しまたは変更を妨げた
●詐欺や脅迫によって遺言を取り消しや変更、妨害させた
●遺言書を偽造、変造、破棄、隠蔽した


これら5つの事由は民法891条に示されており、該当した場合は、強制的に相続の権利が失われます。
基本的に該当事由とみなされるのは、通常の素行の悪さではなく、遺産を不正に手に入れるための行動だと覚えておきましょう。
なかでも判例が多く、トラブルになりやすい事由としては、5つ目の遺言書の偽造などが挙げられます。
遺言書の偽造は、相続の開始前や開始後にも起こりうるため、注意が必要です。

相続欠格者がいた場合の手続き

実際の手続きにおいて相続欠格者がいた場合、原則として特別な手続きは必要ありません。
なぜなら、相続欠格は、該当事由が重大で強制力があるためです。
ただし、相続欠格者が相続権の剥奪に対して異議を申立てた場合は、裁判に発展する可能性もあります。
また、相続した不動産の名義変更をおこなう際は、相続欠格者がいることを証明する「相続欠格証明書」の提出が必要です。
不動産の名義変更をおこなう場合も、相続欠格者が証明書を否定すれば、裁判で相続権の存否を争わなければなりません。

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相続において相続欠格になるとどうなる?

相続において相続欠格になるとどうなる?

次に、相続欠格になるとどうなるか、解説します。

相続欠格が発生するタイミング

相続人の行為が相続欠格の該当事由にあたるとわかった時点で、相続人はただちに相続権を失い、相続・遺贈(遺言によって特定の相手に遺産を譲ること)を受けられなくなります。
相続権が剥奪されるタイミングは、相続欠格の該当事由にあたる行為をおこなったと判明したときですが、相続開始後に発覚した場合はどうなるのでしょうか。
このような場合は、判明時までさかのぼり、相続権を失うことになっています。
遺産分割協議の手続きまで完了していた場合、ほかの相続人は相続回復請求をおこなうことによって相続欠格者の取り分になっていた遺産を取り戻すことが可能です。
つまり、それまでおこなっていた手続きをやり直す必要があるため、注意しましょう。
なお、先述したように遺言書があったとしても、遺言書の内容は優先されませんし、遺留分の請求もできなくなります。
ただし、相続欠格者に子どもがいた場合は、相続欠格者が悪事を働いたとしても子どもに罪はないため、代襲相続人になり、相続欠格者分の遺産を受け取れることになっています。

不動産相続で名義変更ができない場合はどうなる?

先述したように、相続欠格に特別な手続きはいりませんが、被相続人から相続人へ不動産の名義を変更する場合は、別途書類の提出が必要です。
相続欠格証明書は、相続欠格者に記載してもらい、印鑑登録証明書と一緒に提出することになっています。
しかし、相続欠格者が証明書の記載を拒否した場合は、名義変更ができないため、ほかの相続人が相続権不在確認訴訟を起こさなければなりません。
そこで確定判決を取得すれば、名義変更の手続きを進めることが可能です。
このように相続欠格者が相続権を主張した場合は、名義変更の手続きがスムーズに進まない可能性があるため、注意しましょう。

相続欠格者がいる場合の手続きへの影響

ある被相続人との間で相続欠格が認められた場合、ほかの被相続人との相続については、どうなるのでしょうか。
結論から言うと、ほかの被相続人との相続では、相続欠格ではないとみなされます。
なぜなら、相続欠格は、特定の被相続人との間で発生するためです。
たとえば、父親の相続において該当事由が認められ、相続欠格者になったとします。
しかし、母親の相続で5つの事由に該当しなかった場合は、問題なく相続手続きをおこなうことが可能です。
このように1人の被相続人との間で相続欠格が認められても、別の被相続人との間では相続欠格にならない場合があることも覚えておきましょう。
ただし、親を殺害したケースでは、祖父母の遺産の代襲相続ができなくなります。

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相続における相続欠格と相続廃除の違いは?

相続における相続欠格と相続廃除の違いは?

最後に、勘違いしやすい相続欠格と相続廃除の違いについて解説します。

相続廃除とは

相続廃除も相続欠格と同じように特定の相続人の相続権を剥奪することです。
相続欠格は法律に抵触するような重大な事由がある一方で、相続廃除は被相続人の意思によって相続人の権利を剥奪できます。
つまり、両者の違いは、被相続人の意思があるのか否かです。
また、相続欠格とは異なり、相続廃除は取り消しができる点も知っておきたい違いといえます。
相続廃除の対象は、遺留分を有する推定相続人のみです。
それ以外の相続人については、遺言書を作成することによって被相続人の意思で相続させないようにできます。

相続排除が適用される条件

相続排除をおこないたい場合には、次の条件を満たす必要があります。

●虐待をおこなった
●重大な侮辱を加えた
●被相続人の財産浪費、多額の借金を返済させた、不貞行為、長期の音信不通など、その他の著しい非行をおこなった


遺留分を有する推定相続人とは、配偶者や子ども、直系尊属のことです。
これらの推定相続人が上記のような条件を満たしている場合に遺産を受け取れなくなります。
また、遺留分も受け取ることができません。

相続排除は手続きが必要

相続欠格は特別な手続きが不要でしたが、相続排除は家庭裁判所で手続きをおこなう必要があります。
相続排除の手続きは、生前におこなうケースと遺言でおこなうケースの2パターンです。
まず、生前におこなうケースでは、被相続人本人が家庭裁判所に対して排除請求をおこない、調停の審理で排除の可否が決定します。
次に、遺言でおこなうケースでは、被相続人の死亡後に遺言執行者が家庭裁判所に対して排除請求をおこないます。
このように遺言でおこなう場合は、被相続人本人が請求できないため、遺言執行者を決めておかなければなりません。
相続排除では、裁判所が審理を確定させた時点までさかのぼって権利を失います。

相続排除でも子どもの代襲相続が認められる

相続排除者に子どもがいた場合は、相続欠格者と同じように子どもの代襲相続が認められています。
このようなケースでは、子どもが代襲相続人となり、相続排除者の相続分を受け取れることを覚えておきましょう。

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まとめ

相続欠格は、相続開始後でもトラブルに発展する可能性があります。
遺産分割協議のやり直しは、相続人にとって大きな負担になるため、注意が必要です。
財産が関係すると、これまでの親族関係に問題がないように見えていても思わぬトラブルが起こりがちなため、相続手続きは慎重に進めましょう。


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