住み替えローンとは?利用するメリットや手続きの流れを解説!

購入コラム

住み替えローンとは?利用するメリットや手続きの流れを解説!

現在の住まいに住宅ローンの残債がある場合、新たにローンを組んで新居を購入するのは困難です。
しかし、「住み替えローン」を利用すれば、現在のローン残債と新居の購入資金をまとめて借り入れることができます。
今回は、住み替えローンの仕組みや利用するメリット、手続きの流れについて解説します。
マイホームの住み替えをご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

新たな借入が難しい場合に検討したい!住み替えローンとは?

新たな借入が難しい場合に検討したい!住み替えローンとは?

はじめに、住み替えローンとは何か、主な利用シーンも含めて解説します。

住み替えローンとは

住み替えローンとは、今住んでいる家の住宅ローンの残債分と新居を購入するための資金分を併せて借り入れできるローンです。
住み替えをする際、通常は先に現在の住まいを売却し、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。
抵当権とは、住宅ローンの担保として金融機関が設定する権利のことで、抵当権が付いたままでは物件を売却できません。
抵当権を抹消するためには、ローンを完済する必要がありますが、売却額と自己資金では残債を返済できないこともあります。
そこで活用できるのが住み替えローンであり、残債をカバーしつつ、新居の購入資金も一括で借り入れることが可能です。

住み替えローンが有効なケースとは

住み替えローンは、新しい家を購入して住み替える際に利用できるローンであり、主に住宅ローン残債がある状態で新居を購入したい場合に活用されます。
ただし、利用には条件があり、旧居を売却してローンを完済している場合や自宅を賃貸に出す予定で物件を購入する場合には、住み替えローンは利用できません。
また、実家に住み替えるなど、新たな不動産を購入しない場合も同様です。
住み替えローンは、新たに購入する家を担保とし、その家に契約者本人が実際に居住することが前提となります。
賃貸目的の不動産購入や居住しない前提の住み替えには適用されない点にご注意ください。

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住み替えローンのメリットとデメリット

住み替えローンのメリットとデメリット

住み替えローンは、現在の住まいに住宅ローンが残っていても、新居を購入できる便利な制度です。
しかし、その一方で注意すべき点もあるため、事前にメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
ここからは、住み替えローンを利用するメリットとデメリットについて解説します。

メリット①住み替え費用の持ち出しを抑えられる

住み替えローンの大きなメリットは、住み替え時の費用負担を抑えられる点です。
残債がある状態でも新居の購入費とあわせて借り入れが可能なため、手元の貯金を大きく減らすことなく住み替えができます。
住み替えには、新居の購入費のほかに、引っ越し代や家具・家電の買い替え費用などもかかるので、貯金はできるだけ残しておきたいものです。
売却金額よりローン残債のほうが多い「オーバーローン」の状態でも、無理に貯金でまかなう必要がないため、安心して住み替えを進めることができます。

メリット②ダブルローンを組まなくても良い

住み替えの際に、今住んでいる家と新しく購入する家のローンを二重に組むことを「ダブルローン」といいます。
これは、先に新しい家を買う「買い先行」の場合によく使われますが、2つのローンを同時に返すことになるため、毎月の返済負担が大きくなります。
また、旧居で使っていた住宅ローン控除が使えなくなる点にも注意が必要です。
住み替えローンを利用すれば、残りのローンと新しい家の購入費をまとめて借りることができ、1本のローンで済むので返済の負担を軽くできます。
貯金の持ち出しも少なくできるので、引っ越し代金や家具・家電の購入費用、仮住まいの費用にまわすことも可能です。
ただし、借入額は大きくなるので、しっかりと返済計画を立てて利用することが大切です。

デメリット①審査のハードルが高い

住み替えローンでは、新しい家の購入費だけでなく、今の家もローン残債も含めて借りることになるため、銀行にとってリスクが高く、審査が厳しくなりがちです。
審査では、主に収入や職業、勤務先の安定性、勤続年数といった返済能力が重視され、条件があまり良くない場合は融資を受けるのが難しくなることもあります。
借り入れを検討する際は、自分の信用力や返済計画をしっかり整えておくことが大切です。

デメリット②売却と購入の決済を同日にする必要がある

住み替えローンを利用する際は、旧居の売却と新居の購入を同じ日に完了させる必要があります。
なぜなら、旧居にはまだ住宅ローンが残っており、金融機関によって抵当権が設定されているためです。
抵当権があるままでは家を売ることができず、まずは住宅ローンを完済して抵当権を外さなければなりません。
その完済資金も新たに借り入れる住み替えローンで賄うため、融資実行と旧居の売却完了が同日におこなわれる必要があります。
住み替えローンを使う場合は、売却・購入のスケジュールを細かく調整し、全体の流れを計画的に進めることが重要です。
スムーズに手続きを進めるためにも、プロのサポートを受けながら、早めに段取りを確認しておきましょう。

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住み替えローンを利用するときの流れ

住み替えローンを利用するときの流れ

最後に、住み替えローンを利用する際の流れについて解説します。
事前に全体の流れを把握しておき、スムーズな住み替えを目指しましょう。

①ローン残債を確認する

はじめに、今住んでいる家のローンがあとどのくらい残っているのかを確認します。
残債を正確に把握しないと、新しく住み替えるために必要な資金の計画が立てられません。
残債額は、住宅ローン契約時に金融機関から渡される「返済予定表」や、金融機関から毎年送付されてくる「残高証明書」で確認できます。
上記の書類がない場合は、金融機関の窓口に直接問い合わせるか、インターネットバンキングで確認すると良いでしょう。

②不動産会社に相談する

次におこなうのは、自宅の売却や新居の購入をサポートしてくれる不動産会社を探すことです。
住宅ローンの残債を確認しただけでは、売却価格でローンを完済できるかがわかりません。
そのため、不動産会社に自宅の査定を依頼して、売却代金で完済できそうか確認する必要があります。
自宅の売却と新居の購入を別々の不動産会社に頼むこともできますが、スムーズに進めるためには、1社にまとめて依頼するのが理想的です。

③金融機関を探して融資を検討する

続いて、住み替えローンを扱っている金融機関を探します。
金利のタイプや審査の基準などは、金融機関によって異なるので、条件を比較することが大切です。
また、住み替えローンは審査が厳しくなる傾向があるため、万が一に備えて複数の金融機関をピックアップしておきましょう。

④事前審査に申し込む

融資を依頼する金融機関が決まったら、事前審査(仮審査)に申し込みましょう。
事前審査では、収入・勤務先・頭金の有無・借入希望額などをもとにして、返済能力の有無をチェックします。
審査結果が出るまでに、2〜3日ほどかかるのが一般的です。

⑤本審査を受ける

事前審査に通過して新しい家を買うことが決まったら、次は本審査に進みます。
本審査では、事前審査のときにチェックされた収入や勤続年数などの情報にくわえて、購入する物件の担保価値や申込者の健康状態なども詳しく確認されます。
審査期間は1週間から1か月ほどと、事前審査に比べると長めです。
無事に本審査に通ると、金融機関から金利や借入額、返済期間などの詳細条件が提示されます。
内容に問題がなければ、「金銭消費貸借契約」を結び、いよいよ融資実行となります。

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まとめ

住み替えローンとは、今住んでいる家の住宅ローンの残債分と新居を購入するための資金分を併せて借り入れできるローンです。
住み替えローンを利用すれば、売却代金だけでローンを完済できなくても、新しい家への住み替えが可能になります。
ただし、審査のハードルが高いといった注意点もあるので、利用するかどうかは慎重に検討することが大切です。


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