不動産の買換え特例とはどんな制度?適用条件やメリットをご紹介
不動産の売却と購入をおこなう買い換えでは、売却と購入の両方に税金がかかってしまいます。
そんなときに使用可能なのが買換え特例ですが、制度を使用するには条件を満たす必要があるうえ、メリット・デメリットも存在するため注意が必要です。
この記事では、不動産の買換え特例の概要や適用条件、メリット・デメリットなど、不動産の買い換え前に知っておきたい情報をご紹介します。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
大阪市中央区周辺の売買・投資物件一覧へ進む
不動産の買換え特例とは
不動産の買い換えが初めての方のなかには、買換え特例がどんな制度なのか詳しく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは、不動産の買換え特例の概要をご紹介します。
不動産の買換え特例とはどんな制度?
不動産の買換え特例とは、住宅の買い換え時に、一定の要件のもとで譲渡益に対する課税を繰り延べられる制度です。
不動産を売却した際に譲渡益が発生したケースであれば、その譲渡益に対して譲渡所得税が課税されます。
しかし、買換え特例が適用可能になれば、買い換えた物件を売却するタイミングまで譲渡所得税の担税を繰り延べることが可能です。
不動産の買い換えには高額な費用が必要になるため、買い換えにかかる譲渡所得税を繰り延べられるのは大きな利点です。
ただし、あくまで税金を繰り延べられる制度であり、税金の支払いが免除されるわけではない点に注意しましょう。
実際の適用例
では、実際に買換え特例が利用可能になったケースでは、譲渡所得税の担税はどう変化するのでしょうか。
例として、1,500万円で購入した家を3,550万円で売却し、5,500万円で購入した新居に住み換えたケースを考えてみましょう。
1,500万円で購入した家を3,550万円で売却すると、通常は2,050万円の譲渡益に対して譲渡所得税が課税されます。
しかし、買換え特例の適用が可能になるとこの譲渡益に対する課税が繰り延べられるため、今回の買換えでは譲渡所得税を担税する必要がありません。
この2,050万円について課税される譲渡所得税を担税する必要があるのは、5,500万円で購入した新居を売却するタイミングです。
5,500万円で購入した新居を6,550万円で売却したケースでは、新居の譲渡益1,050万円と繰り延べた2,050万円が課税対象になります。
したがって、新居を売却した段階で、新居の売却益と繰り延べた売却益の合計3,100万円に対する譲渡所得税を担税しなければなりません。
▼この記事も読まれています
不動産売却時に権利証を紛失したらどうなる?売却方法と注意点を解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
大阪市中央区周辺の売買・投資物件一覧へ進む
不動産の買換え特例が適用可能になる条件
買換え特例の適用を可能にするには、いくつかの条件を満たさなければなりません。
主な条件をご紹介します。
売却する住居の条件
買換え特例を利用するのであれば、売却する住居・購入する住居のいずれもが条件を満たす必要があります。
売却する住居が満たすべき条件のなかでとくに注意したいのが、期間に関する条件です。
譲渡年の1月1日における所有期間が10年を超えている住居を売却する際でなければ、買換え特例は利用できません。
また、買換え特例を適用する方の居住期間が10年以上である必要もあります。
単身赴任などで一定期間住んでいなかったケースであれば、その期間を除いた居住期間が累計で10年以上にならなければなりません。
くわえて、以下の条件も満たす必要があります。
●居住をやめてから3年以内に住居を売却する
●直近2年間でほかの特例の適用を受けていない
●売却金額が1億円以下である
●親族以外に売却する
これらの条件のなかで注意したいのが、ほかの特例との併用ができない点です。
不動産売却で利用可能な特例には、3,000万円の特別控除の特例や軽減税率の特例、譲渡損失の損益通算や繰越控除の特例などがあります。
これらの特例と買換え特例は併用不可なので、買い換えの際には適用する特例を選択しなければなりません。
また、親族間での売買のケースも買換え特例の適用が不可になる点にも注意しましょう。
購入する住居の条件
一方、新たに購入する住居は以下の条件を満たす必要があります。
●敷地面積が500㎡以下かつ居住用部分の床面積が50㎡以上
●譲渡した年をはさんで3年以内に買い換える
購入する住宅には敷地面積や床面積の条件が規定されているため、買い換えるマイホームを選ぶ際には注意しましょう。
くわえて、中古住宅を購入するのであれば条件が追加されます。
耐火建築物である中古住宅については、新築後の経過年数が25年以内のものか、一定の耐震基準を満たしたいわゆる「耐震住宅」と証明されたものでなければなりません。
非耐火建築物である中古住宅であれば、新築後の経過年数が25年以内のものか、取得期限までにいわゆる「耐震住宅」だと証明される必要があります。
さらに、令和6年1月1日以後に入居する新築住宅のケースでも条件が追加されます。
令和6年1月1日以降に建築確認を受ける、登記簿上の建築日付が令和7年7月1日以降である新築住宅は、一定の省エネ基準を満たさなければなりません。
▼この記事も読まれています
不動産所有者が入院していても売却は可能!売却方法を解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
大阪市中央区周辺の売買・投資物件一覧へ進む
不動産の買換え特例を使用するメリット・デメリット
不動産の買換え特例は便利な制度ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。
買い換え後に後悔しないためにも、メリット・デメリットの両方を把握しておきましょう。
メリット
不動産の買換え特例を利用する主なメリットは、以下の2つです。
●買い換えの際にかかる金銭的な負荷を減らせる
●譲渡所得税を担税しなくても済むケースがある
不動産の買換え特例を使用する主なメリットは、買い換えの際に譲渡所得税を担税しなくて済むことです。
不動産売買で取引される金額は高額なので、買い換えの際に担税する譲渡所得税も高額になってしまうケースが少なくありません。
買換え特例を使用すれば譲渡所得税の担税を繰り延べられるため、金銭的な負担を減らすことが可能です。
また、ケースによっては譲渡所得税を担税しなくても済むのもメリットです。
買換え特例を利用した場合、買い換えの際に新たに購入した新居を手放す際に譲渡所得税をまとめて納付します。
そのため、購入したマイホームを手放すことなくずっと住み続けるのであれば、譲渡所得税を担税する必要がありません。
デメリット
一方、買換え特例には以下のようなデメリットがあります。
●非課税や減税になるわけではない
●ほかの特例との併用が認められていない
●次の買い換えでは買換え特例の利用が認められない
買換え特例はあくまでも担税を先送りにできる制度であり、譲渡所得税が非課税になったり減税されたりするわけではありません。
マイホームを手放さなければ担税の必要はありませんが、さまざまな理由でマイホームを手放さざるを得ないケースもあります。
そのようなケースでまとめて譲渡所得税を担税しなければならないため、出費が増えてしまいます。
また、ほかの特例との併用ができない点もデメリットです。
減税ができる特例との併用が認められないため、買換え特例を選ぶかほかの特例を選ぶかは慎重に検討する必要があります。
さらに、買換え特例は連続で使用できない点もデメリットです。
再度買い換えをすることになったケースでも譲渡所得税の繰り延べは認められないため、前回の買い換えの分と合わせて譲渡所得税を納めなければなりません。
▼この記事も読まれています
不動産売却におけるバーチャルステージングとは?メリットとやり方を解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
大阪市中央区周辺の売買・投資物件一覧へ進む
まとめ
不動産の買換え特例とは、マイホームを買い換えた際に一定の条件を満たすと譲渡所得税を繰り延べられる制度です。
買い換えの際の金銭的な負荷は減らせますが、非課税や減税になるわけではなく、新居の売却時に合算して納める必要があります。
減税になるほかの特例との併用も認められないため、買換え特例とほかの特例のどちらを利用すべきかどうかを事前に検討しましょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
大阪市中央区周辺の売買・投資物件一覧へ進む