不動産売却時に負う契約不適合責任とは?買主に認められている権利も解説!
不動産を売却するとき、売主は買主に対して「契約不適合責任」を負う必要があります。
しかし責任の内容や、具体的にどのような対応が求められるのかがわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、契約不適合責任についての基本的な概要や買主の権利、トラブルを避けるためのインスペクションの重要性を解説します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却時に負う契約不適合責任とは何か?
まずは、契約不適合責任の概要について解説します。
契約不適合責任とは?
契約不適合責任とは不動産の引き渡し後、売買契約に記載のない不具合や欠陥が見つかったときに売主が買主に対して負う責任のことです。
この責任は、不動産の品質などが契約内容に適合しないときに発生します。
たとえば、引き渡した物件に隠れた不具合や欠陥があったとき、買主から契約不適合責任を追及される可能性があります。
契約不適合責任の対象となる建物の不具合とは?
築年数の古い建物では、表面からは確認できない不具合が隠れていることがあります。
たとえば、屋根裏で雨漏りが発生していたケースが挙げられます。
売主が事前にこの事実を把握しており、買主に説明して同意を得ていたときには契約不適合責任は発生しません。
しかし、売主が知らずに引き渡したあとで問題が発覚すると、買主から責任を追及されることになります。
築年数の古い木造住宅を売却するときには、シロアリ被害にあっていないかどうかにも注意する必要があります。
また、契約書にはシューズクロークと書いてあったのに実際には「普通の靴箱」が設置されていたケースでも、買主から責任を問われる恐れがあるため注意が必要です。
買主から契約不適合責任を請求される期間
買主は、購入した不動産に不具合や欠陥がある事実を知ってから1年以内に「通知」することで、売主に責任を問えます。
なお、売主と買主の事前の了解があれば、1年より短く設定することも可能です。
ケースによっては、契約不適合責任を免責にできることがあります。
▼この記事も読まれています
不動産売却におけるバーチャルステージングとは?メリットとやり方を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却時の契約不適合責任で認められている買主の権利
不動産を売却したあとで、買主から契約不適合責任を問われるのではないかと不安に感じる方もいるかもしれません。
万が一のときに落ち着いて対処できるよう、不動産売却時に買主にどのような権利が認められているのかも確認しておきましょう。
ここでは、契約不適合責任で認められている買主の権利について解説します。
買主の権利①追完請求権
追完請求権とは、売主から引き渡された不動産に不具合や欠陥があったときに、買主が修繕を要求できる権利です。
たとえば、売買契約書には「シロアリ被害にあっている」ことが記載されていなかったにも関わらず、実際には構造材がシロアリに喰われていたときには、シロアリの駆除と構造材の修繕の請求が可能です。
ただし、売買契約書にシロアリ被害の実態を記載していたときには、買主は修繕を求められません。
買主の権利②代金減額請求権
代金減額請求権とは、その名のとおり売買価格の減額を請求する買主の権利です。
たとえば、売買契約書にはリビングの床に「無垢材」と記載されていたにも関わらず「合板材」を使用していたときには、無垢材と合板材との差額分の金額を返還するように請求できます。
ただし買主は、すぐに売買価格の一部を返すように求められるわけではありません。
追完請求をしても、売主が相当の期間対応しなかったときに、初めてこの権利を使うことが可能です。
買主の権利③損害賠償請求権
損害賠償請求権とは、売買契約の目的物に欠陥が見つかったときに損害賠償を請求できる買主の権利です。
ただし、売主側に過失がないときには買主は損害賠償を求められません。
売主が、雨漏りなど不動産に生じている欠陥や不具合を故意に隠していたり、売主側の過失によって損害が生じたりしたときでなければ過失責任を問うことはできないのです。
買主の権利④契約解除権
契約解除権とは、契約内容に不適合があったときに契約を解除できる買主の権利です。
ただし、まずは売主に修繕などを求める必要があります。
もし売主がそれ応じないときには契約を解除できます。
一方で、追完請求をしたにも関わらずに売主側で対応できないときには、買主から契約解除の請求が可能です。
▼この記事も読まれています
マンションの売却でよくある失敗事例と失敗しないための対策について解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却での契約不適合責任を未然に防ぐインスペクションの重要性
築年数の古い不動産のどこに不具合や欠陥が生じているのかは、目視で確認できません。
不動産売却時に契約不適合責任トラブルを避けたいのであれば、事前にインスペクションを依頼することをおすすめします。
ここでは、不動産売却時におこなっておきたいインスペクションの重要性について解説します。
インスペクションとは?
インスペクションとは、不動産を売却する前に専門家に依頼して、不具合や欠陥の有無を調査してもらうものです。
インスペクションは、国土交通省による「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づいて実施されます。
2018年4月からは、宅地建物取引業法の改正にともなってインスペクションの実施の有無や結果などを重要事項として説明することが義務付けられました。
購入を希望する不動産のどこに不具合や欠陥が潜んでいるのかが前もってわかれば、買主はより安心して購入に踏み切れるようになります。
売主にとっても、インスペクションを通じて不動産の欠陥や不具合をすべて見つけることにより、買主から契約不適合責任を問われるリスクを回避できます。
売主には欠陥や不具合の告知義務がある
不動産を売却するとき、そもそも売主には買主に対して不具合や欠陥を告知する義務が課されています。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害などは「物理的瑕疵」として事前に買主へ伝えなければなりません。
もし告知義務を怠って、買主に物理的瑕疵がある事実を告げなかったときは、前述のように買主から契約不適合責任を問われる可能性があります。
ケースによっては損害賠償を請求されたり、契約の解除を要求されたりしかねません。
そのため、不動産売却時のトラブルを避けたいのなら、事前に建築士にインスペクションを依頼することがおすすめです。
不動産売却前にインスペクションをおこなうメリット
インスペクションには5万円ほどの費用はかかるものの、契約不適合責任を問われるリスクを軽減できることを考えると安い買い物だといえます。
また、仮にインスペクションを実施して不動産に何も問題ないことがわかれば、相場に近い価格で売却できる可能性も高まります。
そのほか、インスペクションをすると必要な補修箇所の内容がわかる点もメリットです。
不動産を早期売却するには事前にリフォームをおこなうのもひとつの方法ですが、数百万円以上の費用がかかってしまうことがあります。
しかし、インスペクションを実施して必要な箇所のみのリフォームをおこなえば、リフォーム費用を最小限に抑えることが可能です。
一方、不動産を売却するときには買主から値下げ交渉をされるケースが一般的です。
そのとき、インスペクションを実施して不動産の品質を客観的に把握できていれば、根拠をもとに落ち着いて対応できるようになります。
▼この記事も読まれています
不動産所有者が入院していても売却は可能!売却方法を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
契約不適合責任とは、売却した不動産の引き渡し後売買契約書に記載のない不具合や欠陥が見つかったときに売主が買主に負うべき責任です。
契約不適合責任で認められている買主の権利には「追完請求権」「代金減額請求権」「損害賠償請求権」「契約解除権」があります。
不動産を売却したあとで買主から契約不適合責任を問われるリスクを回避したいのなら、事前にインスペクションを依頼して不具合や欠陥の有無を調べることをおすすめします。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む