マンション権利書の役割は?紛失時の対処法についても解説

木下 康裕

筆者 木下 康裕

不動産キャリア15年

大手仲介業者を2社経験させて頂き約15年の不動産キャリアを持っております。
マンション・タワーマンション・土地・戸建・収益不動産の売却なら木下  康裕にお任せください。
特にタワーマンションは大手仲介会社のタワーマンション特化型の店舗での勤務経験がございますので、大阪市内のタワーマンションについては熟知しております。

マンション権利書の役割は?紛失時の対処法についても解説

マンションの売却に向けて準備を進める中で、重要な書類である「権利書」の扱いや紛失への不安を抱えていませんか。
いざ本格的な売却手続きを始めようとした際に手元に見当たらず、不動産取引が予定通りに進まないのではないかと焦ってしまう方は多くいらっしゃいます。
本記事では、マンション権利書(登記済権利証)の現在の取り扱いや提出が必要となるケース、そして万が一紛失してしまった際の注意点と対処法について解説します。
大切な資産であるマンションの売却をトラブルなくスムーズに完了させたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

マンションの権利書とは?

マンションの権利書とは?

マンション権利書には主に、所有者を証明する重要な役割があります。
まずは、マンション権利書の正式名称や、現在の制度について解説していきます。

正式名は登記済権利証

一般にマンションの権利書と呼ばれる書類は、正式には登記済証または登記済権利証という名称です。
売買や相続によって所有権を取得し、所有権保存登記や所有権移転登記が完了した際に交付されてきました。
また、従来は登記申請書の副本に法務局の登記済印が押され、手続きの完了を確認できる仕組みでした。
司法書士が厚手の表紙に綴じることも多いものの、重要なのは表紙ではなく登記済印がある書類そのものです。
保管時は、登記済印のある書類を傷めないよう丁寧に扱いましょう。
そのため、登記済権利証は名義人が正当な所有者であることや、登記手続きが完了した事実を示す大切な資料といえるでしょう。

現在は登記識別情報へ

2005年の不動産登記法改正によって手続きの電子化が進み、現在は紙の権利書に代わって登記識別情報が交付されています。
登記識別情報とは、不動産と名義人ごとに割り当てられる、無作為な12桁の英数字で構成された符号です。
そして、登記完了後には管轄の法務局から、この符号を記載した登記識別情報通知を受け取ります。
符号を知っていることが本人確認の重要な手掛かりになるため、暗証番号と同じように慎重な管理が欠かせません。
また、符号を安易に撮影して残すことも避けましょう。
なお、通知書は2015年以降、目隠しシール方式から用紙を折り込んでのり付けする方式へ変更されています。

過去の権利書も有効

紙の権利書は新たに発行されていませんが、法改正前に交付された登記済証は現在も有効です。
新制度へ移行したからといって、古い権利書を登記識別情報へ交換する手続きは設けられていません。
そのため、手元にある書類の種類は、マンションを取得して登記をおこなった時期によって異なります。
紙の登記済証も、売却や贈与に伴う登記で本人確認や処分意思を示す資料として使用可能でしょう。
登記時期が分からない場合は、書類の表題や法務局の印を手掛かりに種類を確認しましょう。
形は異なるものの役割は共通しているため、売却を考え始めたら、どちらを保管しているか早めに確かめておくことが大切です。

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マンション権利書の提出が必要となる場合

マンション権利書の提出が必要となる場合

前章では権利書の定義について述べましたが、実際に使用する時期は限られています。
ここでは、マンション権利書が必要となる主な場合について解説します。

売却と所有権移転登記

マンションを売却し、買主へ名義を移す所有権移転登記では、権利書または登記識別情報が必要です。
この登記は原則として売主と買主が共同で申請し、売主は登記義務者、買主は登記権利者となります。
また、権利書類は申請者が正当な所有者であり、売却に同意していることを示す重要な資料です。
一般には売主の実印や印鑑証明書なども用意し、法務局が書類や符号を照合して本人の意思を確認します。
決済時には司法書士へ原本を預けることが多いため、事前に所在を確認しておきましょう。
そのため、厳格な確認によって第三者の成りすましや無断の名義変更を防ぎ、買主も安心して取引を進められる仕組みです。

ローンの抵当権設定時

住宅ローンの利用時や借り換え時には、金融機関が抵当権を設定する登記で権利書が必要になります。
抵当権とは、返済が難しくなった場合に備え、金融機関がマンションを担保として確保する権利です。
新規購入では、所有権移転登記と抵当権設定登記を同日に続けて申請することが一般的でしょう。
なお、完済後の抵当権抹消では、金融機関から受け取った書類を使用するのが一般的です。
一方で、借り換えでは新しい金融機関の抵当権を設定するため、現在の権利書や登記識別情報を使用します。
所有者の重要な権利に関わる手続きなので、必要書類の案内を受けたら、種類や保管状況を早めに伝えておくと安心です。

相続による名義変更時

相続による名義変更では、戸籍謄本などで相続関係を証明できるため、通常の相続登記で権利書は原則として求められません。
相続人が単独で申請でき、亡くなった方との関係を公的書類によって確認できるからです。
しかし、登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合や、法定相続人ではない方へ遺贈する場合は、権利書が必要になることがあります。
そのため、相続の内容や登記記録によって、準備すべき書類は変わる点に注意しましょう。
なお、判断に迷う書類は自己判断で処分しないことが大切です。
遺品整理で権利書らしきものを見つけたら処分せず、早めに司法書士へ相談すると名義変更を進めやすくなります。

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権利書を紛失した際の注意点と対処法

権利書を紛失した際の注意点と対処法

ここまで、権利書の必要性を解説しましたが、万が一紛失してしまった場合の対処法についてお伝えします。
最後に、マンション権利書を紛失したときの注意点について解説していきます。

再発行は一切できない

マンションの登記済証や登記識別情報は、紛失や盗難、焼失などの理由を問わず、法務局で再発行できません。
これは同じ権利書が複数存在する状態を避け、第三者による不正登記や成りすましを防ぐための決まりです。
ただし、見当たらないからといって直ちに問題が起きるわけではないため、購入時の書類入れや貸金庫などを落ち着いて探しましょう。
また、盗難や登記識別情報の漏えいが疑われる場合は、法務局へ不正登記防止申出や符号の失効申出をおこなえます。
申出には一定の確認が必要になります。そのため、状況を整理したうえで法務局や司法書士へ早めに相談し、必要な対応を確認することが重要です。

所有権自体は失わない

権利書を紛失しても、法務局の登記記録に所有者として登録されていれば、所有権そのものを失うわけではありません。
居住や賃貸を続けることもでき、資産価値が直ちに変わる心配もないでしょう。
ただし、売却や抵当権設定の登記では、事前通知制度や司法書士による本人確認情報などの代替手続きが必要です。
とくに売買決済では、司法書士が面談と本人確認をおこない、権利書の代わりとなる書類を作成する方法が多く使われます。
追加費用の金額は、司法書士ごとに異なります。
また、一般に5万円から10万円程度の費用がかかるため、紛失が分かった段階で不動産会社や司法書士へ伝えておくことが大切です。

決済遅延のおそれあり

本人確認情報を作成するには、司法書士との面談日程を調整し、本人確認書類などを準備する時間が必要です。
さらに、登記上の住所と現住所が異なる場合は、住民票や戸籍の附票をそろえ、住所変更登記も進めなければなりません。
決済直前に紛失へ気づくと準備が間に合わず、予定日に所有権移転登記ができないおそれがあります。
その場合、買主や金融機関との日程調整が必要になり、引渡しが延期される可能性もあるでしょう。
売買契約書の違約金条件も確認しておきます。
売却を考え始めた時点で原本の所在を確認し、見つからなければ不動産会社や司法書士へ速やかに相談することが重要です。

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まとめ

マンションの権利書は正当な所有者であることを証明するもので、現在は12桁の登記識別情報に移行していますが、過去に発行された紙の書類も引き続き有効に利用できます。
売却に伴う所有権移転登記やローンの抵当権設定時に提出が求められ、所有者本人の確かな意思を確認し、第三者による無断での名義変更や不正な取引を防ぐ重要な役割を持ちます。
万が一紛失した場合は再発行が一切できず、代替手続きには余分な時間や費用がかかり決済が遅れる恐れもあるため、売却を考えた時点で早めに保管状況を確認すると良いでしょう。