不動産売却の「3つ」の詐欺対策とは?詐欺の手口や相談先を解説

売却コラム

不動産売却の「3つ」の詐欺対策とは?詐欺の手口や相談先を解説

残念ながら、不動産業界には詐欺が存在します。
高額な取引であるうえ、一般の消費者が知識不足になりがちな分野であるため、詐欺グループに狙われやすいのです。
この記事では、不動産売却時に見られる詐欺の手口や対策方法、万が一詐欺に遭ったときの相談先について解説します。

この記事の執筆者

このブログの担当者 木下 康裕

株式会社キーポイント代表取締役
タワマン・マンション・戸建て・土地・事業用の不動産売却・購入をご担当させて頂きます。不動産経験15年以上、大手不動産会社出身の担当者がワンツーマンでお客様の不動産売却をお手伝いします!!私は一度きりのお取引で終わるのではなく末永くおつきあい頂ける仲介を目指しております。不動産のことなら、お気軽にご相談をお待ちしております。

どんなものがある?不動産売却時に見られる詐欺の手口

どんなものがある?不動産売却時に見られる詐欺の手口

不動産取引では多額の金銭が動くため、トラブルが発生することは珍しくありません。
例えば、深夜0時過ぎまでしつこい勧誘を受け、やむなくマンション購入申込書にサインをしたケースなど、さまざまなトラブルが存在します。
こうした問題は、消費生活センターなどに相談することで解決することもあります。
しかし、明確な価格が存在しない不動産の売却時には、売主が詐欺被害に遭いやすくなります。
気づいた時には取り返しがつかないこともあるため、十分な注意が必要です。
不動産売却時の詐欺は他人事ではなく、ご自身にも起こり得ると考えて、対策を立てることが重要です。
まずはじめに、不動産売却時に見られるさまざまな詐欺の手口を解説します。

詐欺の手口①相場に合わない価格を提示される

不動産売却ではまず不動産会社に査定してもらいますが、悪意を持って安い査定額を提示されることがあります。
例えば、買主が不動産会社の友人または親族の場合、彼らに安く物件を購入させるために、売主に不当に低い査定額を提示することがあります。

詐欺の手口②不要な手数料を支払わせる

不動産売却時には、さまざまな手数料がかかります。
代表的なものとして仲介手数料がありますが、これは宅建業法により「売買価格×3%+6万円+消費税」という上限が定められています。
しかし、売主の要望によらずに広告費などを別途徴収することはできません。
土地によっては測量費などが別途かかることもありますが、これらは不動産会社以外の専門家に支払う手数料であり、仲介手数料の規制は適用されません。
悪質な手口では、不動産会社と土地家屋調査士が共謀し、不当に高額な測量費を徴収した後に姿を消すこともあります。

詐欺の手口③不動産登記を勝手に書き換えられる

不動産売却時には、代金を受け取ることと引き換えに権利書(登記識別情報)などの書類を渡して手続きを行います。
しかし、悪質な手口では、売却代金を支払う前に登記変更に必要な書類を受け取り、勝手に登記を書き換えることがあります。
これは明らかに詐欺ですが、不動産の所有を第三者に主張するには登記が必要なため、一度登記が書き換えられると取り戻すのは容易ではなくなります。
場合によっては、泣き寝入りしなければならないこともあるため、十分な注意が必要です。

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不動産売却で詐欺に遭わないための3つの対策

不動産売却で詐欺に遭わないための3つの対策

不動産売却の詐欺の手口について説明しましたが、これらの詐欺に遭わないためにはどうすればよいのでしょうか。
続いて、有効な詐欺対策3つを解説します。

詐欺対策①価格相場を把握する

不動産売却時に不動産会社に全て任せるのではなく、自身でも価格相場を把握することが重要です。
具体的には、周辺の物件のリサーチをしたり、公示地価や路線価などの公的価格を調べたりすることが役立つでしょう。

詐欺対策②不動産売却の一般的な流れを理解する

登記移転と代金支払いは必ず同時に行うべきです。
不動産売却の一般的な流れを理解することも、詐欺対策の一つとなります。
取引の流れは次の通りです。

●不動産会社と媒介契約を締結する
●不動産会社が売却活動を開始する
●買主が見つかると価格交渉し、条件が固まれば売買契約を締結する
●買主が売買契約を締結・ローン審査
●ローン審査が承認されれば代金の決済・登記・引き渡し

詐欺対策③小切手での支払いを避ける

不動産売却時には小切手での支払いは避けましょう。
基本的には現金または銀行振り込みを選ぶのが安全です。
現金のやり取りをする場合でも、銀行に事前相談すれば、打ち合わせのためのスペースを貸してくれることもあります。
そういった場所を利用することで、多くの人の目に留まりやすくなり、詐欺の抑止にもつながります。

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不動産売却で詐欺に遭ってしまったらどこに相談する?

不動産売却で詐欺に遭ってしまったらどこに相談する?

不動産売却で詐欺に遭ってしまった場合、迅速に外部機関に相談することが重要です。
遅れると証拠の確保が難しくなり、詐欺の立証が困難になります。
詐欺かどうか曖昧な場合でも、弁護士や公的機関に相談することが大切です。
最後に、主な相談先を確認しておきましょう。

相談先①消費生活センター・国民生活センター

不動産取引に関連する詐欺かどうか迷った場合、まず消費生活センターに相談しましょう。
全国の都道府県・市町村に約850か所あり、国家資格を持った消費生活相談員が解決のためのアドバイスを提供し、事業者との間に入って被害回復を図ります。
全国共通ダイヤル「188」を利用すると、最寄りの消費生活センターに接続されます。
消費生活センターが利用できない場合は、国民生活センターに相談できます。
国民生活センターは消費者庁が所轄する独立行政法人で、全国の消費生活センターと連携して活動しています。

相談先②宅地建物取引業協会

仲介した不動産会社に疑問がある場合、各都道府県にある宅地建物取引業協会に相談することをおすすめします。
宅地建物取引業協会は不動産会社が所属する団体で、不動産取引に関する相談に対応しています。
ただし、複数の都道府県で事業を展開する不動産会社については、国土交通大臣の免許を持っているため、該当地区の免許行政庁に相談することが適切です。
免許行政庁では、不正な業務行為に関する苦情や相談を受け付けています。

相談先③法テラス(日本司法支援センター)

日本司法支援センター(通称・法テラス)は、総合法律支援法によって設立された法務省管轄の公的法人です。
法テラスは、民事事件・刑事事件問わず気軽に相談できます。
ただし、法テラスの担当者から直接法的な判断や解決方法のアドバイスが受けられるわけではありません。
法テラスでは相談内容に応じて、解決に役立つ法制度を紹介したり、契約している弁護士や司法書士、消費者団体などの相談窓口を紹介しています。
法律相談は紹介された各相談先で行います。法テラスへの相談は電話、全国各地の事務所での面談、24時間365日受付のメール相談が利用可能です。
相談は無料で、弁護士や司法書士に依頼する必要がある場合は、一定条件のもとで費用の立て替えも行っています。
立て替え対象となる費用は、弁護士や司法書士へ支払う着手金、実費、報酬金などです。
立て替え制度を利用するための条件は次の通りです。

●収入等が一定額以下であること
●民事法律扶助の趣旨に適すること
●勝訴の見込みがないとは言えないこと


法テラスの審査では、上記条件を満たしているかどうかを調べます。
審査といっても、信用情報機関の個人情報を照会するようなものではありません。
弁護士費用が支払えない場合でも、法テラスなら安心して相談できます。
ただし、法テラスには多くの相談が寄せられているため、対応まで時間がかかることがあります。
急を要する場合は、弁護士や公的機関に直接相談する方が早期対応が期待できます。

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まとめ

不動産売却時の詐欺の手口には、相場に合わない価格提示や不要な手数料の請求、不正な登記変更などがあります。
詐欺被害を避けるためには、価格相場の把握、不動産売却の流れを理解すること、小切手での支払いを避けることが重要です。
被害に遭った場合は、迅速に消費生活センター、宅地建物取引業協会、法テラスなどの専門機関に相談し、適切な対応を取ることで詐欺の立証がしやすくなるでしょう。


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